第6話

ゆ り ち ゃ ん の 決 意
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2018/02/02 15:09


ちよこ 「ただいまー。」


ゆり子 「あっおかえりーちよちゃん!」


まち 「おかえり。それじゃゆりちゃんよろしくね。」


ちよこ 「何?なんか話してたよね?」


ゆり子 「ううんちよちゃんは気にしないでいいことよ!」


ゆりちゃんはいつものように明るい。
だけどこの裏でゆりちゃんは何を思っていたのだろうか。
この時のちよこは知るはずもなかった。


その日の夜――。


ゆり子 「大介ー。ご飯ー!出来たよ。」


大介 「んー」


いつもの変わらぬ食卓。母さんと食べる普通の夕食。
だけど母さんの様子はいつもとは違った。


ゆり子 「母さん…夜勤の仕事はじめようと思ってるんだ。」


大介 「えっ」


ゆり子 「大介ももう中学生になったんだし1人で大丈夫でしょ?」


大介 「ちょっと待てよ。何急にうちそんな余裕ないの?」


ゆり子 「ううん。そうじゃないよ!大介は何も心配しなくていいの!」


大介 「じゃあなんで」


ゆり子 「さては1人が寂しいんだなー?」


大介 「ちっちげーよ!」


ゆり子 「このこのこの!まだ子供だな!!」


それからは話をはぐらかされてばかりで真相はわからなかった。



「はーー。」


二人同時についたため息。


大介 「なんだよ!ちよこのくせにため息とか」


ちよこ 「そっちこそ!」


大介 「あー。いつまで経っても振り向いてもらえない先輩のことか。」


ちよこ 「別にそれだけじゃないし…よーしこうゆう時は」


ちよこはそういうと大きくジャンプして大介の前を立ち塞いだ


ちよこ 「付き合ってよ!」


大介 「はっはあ?せっ先輩に相手にされないからって俺かよ」


ちよこ 「何が?」


冷静なちよこの返しに赤くなりかけた大介の顔も冷めていく。


大介 「で俺たちはなんでここに並んでんだ?」


付き合ってってパンケーキ屋のことだったのか。


ちよこ 「知らないの大介?今はここのパンケーキが人気なんだよ?」


大介 「お前もそうゆうの気にするんだ。」


ちよこ 「…そうじゃないけど。先輩が行ってるとこがどんなとこなのかなーって思って。」


大介 「…お前気持ち悪いぞ。」


ちよこ 「はー?っそれだけじゃないし!お団子よりおいしいのか確かめに来たってのも…ある。」


恥ずかしそうに、照れたようなちよこに大介は胸が熱くなっていた。


ちよこ 「それにゆりちゃんが言ってた!」


母親の名前を聞いてさっきとは違う熱さが大介に込み上げていた。


大介 「なんて?母さん何かお前に何か言ったのか?」


ちよこの肩をがっちりつかんで問い詰める大介。


ちよこ 「何なに?急にどうしたの!」


大介 「母さんが急に夜勤する理由!」


ちよこ 「えっ?私はただ敵を知ることも大事だって教えてくれただけだよ!」


大介 「なんだ。そんなことか。」


店員 「お次のお客様どうぞー」


ちよこ 「ぅわーあこれがパンケーキ!!見てよこのクリームの量!!」


大介 「お前ほんとに知らなかったのかよ。」


ちよこ 「んーおいしい!!何これふわっふわ~って何これー!」


大介 「おい声デカいから」


でもこうゆうとこ昔から好きなんだよなー。


ちよこ 「大介も早く食べなよ!」


大介 「本来の目的忘れてないよな?」


ちよこ 「はわわ~」


大介 「ダメだこりゃ。ほら!クリーム口ついてっから!!」



ちよこ 「あーおいしかった!!」


大介 「完全に飲まれたよな?」


ちよこ 「あれ…そういえば大介ゆりちゃんがどうとかって言ってたよね?」


大介 「今頃かよ…」



ちよこ 「えっ?ゆりちゃん夜勤するの??」


大介 「急に。なんでかちよこなら知ってるかと思ったけど」


ちよこ 「そういえば、ゆりちゃんおかしかった!」


  ((ちよちゃんはいずれここ継ぐんだもんね!!
             それでいい!ちよちゃんは!!


    何?なんか話してたよね?
       ううんちよちゃんは気にしないでいいことよ!))


大介 「てことはばっちゃんが何か言ったことが母さんを…?」


    ((最近は、パンケーキが人気みたいよー!))


ちよこ 「…まさか!」


そう言うとちよこは血相を変えて走り出した。


大介 「おい!どこ行くんだよ!!」



まち 「いらっしゃ…」


ちよこ 「ばぁちゃま!!うちつぶれたりしないよね??」


大介 「えっ?」


まち 「何を言うのそんなこと…」


ゆり子 「そんなことは絶対ないよ!」


ちよこ 「ゆりちゃん!」

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