第2話

出 会 い
122
2018/02/01 06:00

今日から中学生です。


大介 「ちよこ!早くしないと遅れるぞ!!
    入学式早々遅れるとか洒落になんねーぞ。」


ちよこ 「待ってよーカバン重いんだもん…」


大介 「入学式だってのに教科書なんか持ってくからだろう!」


ちよこ 「だってー…」


――ドン。


ちよこ 「きゃあ」


バサっ


ちよこ 「あっ…ごめんなさい!」


私が落とした教科書を笑顔で拾ってくれる。


庵 「はい。気を付けてね!」


一瞬時が止まってしまったかのような不思議な時が流れた。


庵 「…?」


不思議そうに私を見つめてる。


庵 「もしかして新入生?」


ちよこ 「あっえっあっはい!そこの駅前のお団子屋に住んでる中村ちよこって言います!」


庵 「お団子屋のちよこちゃんか。おもしろいね。」


わっ笑われた!!

昔からの宿命ではあるんだけど、
私は気に入ってるからつい焦ると
今みたいにバカ丁寧に挨拶してしまう。

いつもならここでからかわれて終わり…。


庵 「僕は高橋庵。3年生。よろしくねちよこちゃん!」


受け入れて…くれた?


大介 「何してるんだよちよこ!のんびりしてるとほんとに遅れるぞ」


ちよこ 「あっ今行くー!」


大介の一言で我に返った私は庵先輩に一礼して大介に追いついて行った。


庵は何か思わしげにちよこの後ろ姿を笑顔で見送っていた。


大介 「何してたんだよ。」


ちよこ 「ん?別にー。ほら急がないとほんとに遅れるよー!」


大介 「ちょおまそれ俺のセリフだろ!」


先輩は何か違うそう思った瞬間だった。
でもこれが恋だなんて私にはまだわからなかった。

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