初恋の相手に、そう言われた
中学まで1度も恋をしたことがなかった私が、高校に入って恋をした
水族館に誘って思い切って告白したけど、駄目だった
ただ、それだけなのに
それだけなのに。
思い出せば思い出すほど、涙が止まらない
そう言ってクラスメイトの那須くんが差し出してくれたのは、ホットココア
那須くんが「こんなところで」と言ったのにはしっかりと理由がある
なんといっても、ここは学校
私服で学校とかおかしいよね。しかも泣いてるわけだし
そのまま教室をあとにしようとすると、那須くんが私の腕を掴んだ
泣きやむまで、那須くんはずっと私の背中をさすってくれていた
那須くんが連れて来てくれたのは、3年生の教室
青春の喜び
切望
今、私が強く願うこと
私の頬にそっと手を添えた那須くん
目を瞑った私
あれ…?
もしかして、キスしない?
微笑んだ彼に、私から優しくキスをした
クロッカスの花言葉
・切望
・青春の喜び
・私を信じて
・私を裏切らないで
・じれったい
一生忘れることのない恋をした。
それは甘酸っぱい初恋でもなく、先生との禁断の恋でもない。
花束をくれた、優しくて笑顔が似合う君との恋。
この想いに花束を。end
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。