第30話

30
443
2020/06/21 00:00
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あなたside





22:30、紫耀くんを迎えに行くため、車に乗る


雨はパラパラと降り始めていた

それに今夜は冷える

迎えは正解だったと再認識した


紫耀くんは電話に出なかったから、きっとまだ撮影中


念のため、すれ違いにならないようにと

気持ち急ぎめで車を走らせた

もちろん安全運転で



22:45、テレビ局に到着


裏口の駐車場で、警備員さんに初めこそ怪しまれたが

事情を説明し、身分証を確認された後に通された


撮影現場にはもちろん入れないが、

スタッフさんに休憩室で待っているよう指示された



紫耀くん、びっくりするかな────



あなた(頭、痛いな)

あなた(そういえば頭痛薬切らしてたかも…)




────



紫耀side



0:15


紫耀「お疲れ様です!」

健人「お疲れ様でーす」



今日の撮影は長丁場だった

おかげであなたには会いそびれた



紫耀(てか、今日来てたのかな)



先日、俺は高熱を出して寝込んだ

あなたは俺に付きっきりで看病していたらしい


そのとき無理をさせてしまったせいで

あなたが体調を崩してないか心配だった



紫耀(LINEの返事もなかったし大丈夫か…?)



スタッフ「平野くん、お客さん来てるよ」

紫耀「え?俺にですか?」

健人「こんな時間に誰だろうな(笑)」

紫耀「ここに入れる人って言ったら…メンバーですかね?(笑)」

健人「『お客さん』ではないだろ〜(笑)」

紫耀「あ、そっか」



まさか母さんが突撃訪問とか?

などと適当な事を考えながら、

俺はその『来客』が待っているという休憩室へ



紫耀「ごめんなさい、お待たせしまし……」
あなた「…あ………」

紫耀「……た………?」

あなた「お疲れさまー☺️」

紫耀「……」

あなた「…?あ、ごめんね、急に来て」

あなた「雨降ってるから迎えに来たの」

紫耀「……」

あなた「…紫耀…くん……?」




紫耀「あ、」

紫耀「会いたかった〜〜〜〜〜」




あなた「///???」



思ったことをついそのまま口に出してしまった



一番、癒される笑顔────



ちなみにあなたさん、これは、たぶん照れてんな



紫耀「元気?」

あなた「あ…う、うん」

紫耀「そっか、よかった」

紫耀「迎え来てくれてありがとね、帰ろ(^^)」

あなた「うん(笑)」





仕事で疲れた後、

「お疲れ様」って笑顔で迎えられること



今日の俺、世界一幸せだろ────────






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