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あなたside
22:30、紫耀くんを迎えに行くため、車に乗る
雨はパラパラと降り始めていた
それに今夜は冷える
迎えは正解だったと再認識した
紫耀くんは電話に出なかったから、きっとまだ撮影中
念のため、すれ違いにならないようにと
気持ち急ぎめで車を走らせた
もちろん安全運転で
22:45、テレビ局に到着
裏口の駐車場で、警備員さんに初めこそ怪しまれたが
事情を説明し、身分証を確認された後に通された
撮影現場にはもちろん入れないが、
スタッフさんに休憩室で待っているよう指示された
紫耀くん、びっくりするかな────
あなた(頭、痛いな)
あなた(そういえば頭痛薬切らしてたかも…)
────
紫耀side
0:15
紫耀「お疲れ様です!」
健人「お疲れ様でーす」
今日の撮影は長丁場だった
おかげであなたには会いそびれた
紫耀(てか、今日来てたのかな)
先日、俺は高熱を出して寝込んだ
あなたは俺に付きっきりで看病していたらしい
そのとき無理をさせてしまったせいで
あなたが体調を崩してないか心配だった
紫耀(LINEの返事もなかったし大丈夫か…?)
スタッフ「平野くん、お客さん来てるよ」
紫耀「え?俺にですか?」
健人「こんな時間に誰だろうな(笑)」
紫耀「ここに入れる人って言ったら…メンバーですかね?(笑)」
健人「『お客さん』ではないだろ〜(笑)」
紫耀「あ、そっか」
まさか母さんが突撃訪問とか?
などと適当な事を考えながら、
俺はその『来客』が待っているという休憩室へ
紫耀「ごめんなさい、お待たせしまし……」
あなた「…あ………」
紫耀「……た………?」
あなた「お疲れさまー☺️」
紫耀「……」
あなた「…?あ、ごめんね、急に来て」
あなた「雨降ってるから迎えに来たの」
紫耀「……」
あなた「…紫耀…くん……?」
紫耀「あ、」
紫耀「会いたかった〜〜〜〜〜」
あなた「///???」
思ったことをついそのまま口に出してしまった
一番、癒される笑顔────
ちなみにあなたさん、これは、たぶん照れてんな
紫耀「元気?」
あなた「あ…う、うん」
紫耀「そっか、よかった」
紫耀「迎え来てくれてありがとね、帰ろ(^^)」
あなた「うん(笑)」
仕事で疲れた後、
「お疲れ様」って笑顔で迎えられること
今日の俺、世界一幸せだろ────────
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。