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あなたside
神くんが手伝ってくれたおかげで、片付けは早くもひと段落した
あとはみんなのグラスと…あのオードブルだけ……
残してもパッキング、完食しても食器洗いが残っている
内心、もちろんさっさと片付けたかったが、これも仕事
酔いが回っていたので
待っている間少し夜風に当たろうとバルコニーに出た
紫耀「あなた?酔ったの?」
先客は、紫耀くんだった
あなた「ちょっとだけ」
あなた「お酒飲んだの久しぶりだったから」
紫耀「そっか、寝込んでたもんね」
あなた「…あ、ごめんね、お邪魔しちゃったかな」
紫耀「全然(笑)」
あなた「紫耀くんは酔ってなさそうだね?」
紫耀「あなた送れなくなっちゃうと困るから」
ドキン
あなた「…歩きだから平気なのに……」
紫耀「ちょっと長く一緒にいれるじゃん?」
なんか…紫耀くんの方が危ないような
思わず照れてしまうような言葉を次々と……
あなた「何急に…(笑)」
紫耀「嫌?」
………ずるい人
あなた「嫌…じゃ、ない」
紫耀「だよね☺️」
な、何それ………
紫耀「ねぇ、あのさ
仕事、辞めない?」
ん?
あなた「え、なんて?…」
紫耀「俺らと、ここに住も?」
え?────────
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。