第55話

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2020/08/27 00:00
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紫耀side




あの日、

あなたたちが咄嗟に嘘をついたのは、仕方がなかった

あなたも、俺らも、悪くない


最初は、謝るあなたを見て納得できなかった



でも、そんなあなたを見たからこそ気付いた



"何事もなくてよかった"では済まされない

いつかその"何事"が起こるかもしれない



だからこれは、俺たちが、あなたを守るための決断


.
.
.


あなたがハウスキーパーを辞めて3日が経った



海人「おはよぉ〜」

紫耀「おはよ」

海人「早いね〜…仕事?」

紫耀「うん、ドラマの撮影」

海人「そっかぁ〜頑張ってね」

紫耀「海人も打ち合わせだろ」

海人「あ〜そうそう、もう全然いい案浮かばなくて……」



そう言いながら、寝起きの海人はキッチンへ向かう



海人「あ…朝ごはんないんだわ」

紫耀「…」

神「何しんみりしてんの?」

玄樹「おはよ〜」

海人「あ、おはよう」

廉「白飯は炊けてるやろ」

岸「それだけでイケるの廉だけだからな」

廉「はぁ?俺が愛を込めて炊いたのに」

海人「あなたのご飯が食べt…
紫耀「海人」

海人「ゔ〜」

紫耀「…慣れねーな」

岸「ほぼ毎日一緒にいたからなぁ」



そう、ほぼ毎日

短いけど、一緒に過ごした全てが大切な時間



だから分かる



俺らを守ろうとしてくれたこと

辞める覚悟を、決めていたこと




たった3日しか経ってない、


けど、


紫耀(あなたに会いたい……)




神「あなたのご飯一番食べたいのは紫耀だもんね?」

玄樹「間違いない」

紫耀「!?」

廉「紫耀は連絡とってるん?」

紫耀「全然」

玄樹「とってないの!?」

紫耀「メール苦手だし、ほとんど毎日会えてたから元々そんなに連絡とってない」

廉「そういえばそうや、紫耀は」



海人「俺はとってるよー?」



紫廉岸神玄「!?」

紫耀「な、なんの…?(笑)」

海人「えっ、元気ー?って」

神「海人ってマメなの?(笑)」

海人「何が?(笑)」


.
.
.



今日は、朝からドラマ撮影の日

一人で現場まで向かうことにした



車に乗り、ふと心に蟠りを覚える



紫耀(海人の奴…)



これは…嫉妬…?



☎︎♪♪♪〜


紫耀「!?」


紫耀(びっくりした……え…あなた?)



紫耀「もしもし?」

あなた『…紫耀くん?』

紫耀「うん、しょうだよ」

あなた『……』

紫耀「あなた?」

あなた『…うん、満足』

紫耀「何(笑)」

あなた『声聞いて満足したの!』
あなた『3日間声も聞かないなんて、初めてだったから』

紫耀(なんそれ可愛い……)
紫耀「今から学校?」

あなた『うん、紫耀くんはお仕事だよね?』

紫耀「俺はドラマの撮影」

あなた『そっか…じゃあ…いってらっしゃい(?)』

紫耀「いってきます(笑)」

あなた『あ、ね、またかけてもいい?』

紫耀「…だめ」

あなた『だめなの!?』

紫耀「うそ(笑)」

紫耀「でも会いたいかな」

あなた『〜〜!////』

紫耀(なぜ電話越しでも照れが伝わるんだろう…)

あなた『私も…!会いたい!』

紫耀「うん、また連絡するー」

あなた『うん!好き!!またね!!』



プツン、ツーツー…



紫耀「…」


好き…とか…朝から…やめてくれ…


蟠りはどっか行った



代わりに心臓が、ちょっと、結構、煩い────


会っても、会わなくても、気持ちは増すばかり




紫耀(今日、撮影早く終わったら会えるかな)






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