第49話

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2020/08/19 00:00
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あなたside




分かってはいたはずだけど

やはり彼らはアイドルで、

どこにいても人の目がある



紫耀くんの"彼女"になるのはもっと大変なこと…





カシャ





あなた(え…)



シャッター音のようなものが聞こえた気がした



あなた(気のせい?)



アイスを取ってお会計を済ませ、店を出ようとすると

ガラスに反射して見覚えのある子たちが映っていた



あなた(さっきの子達……私、つけられてる……)



このまま、真っ直ぐシェアハウスに帰るわけにはいかない


どうしようかと思考を巡らせていると

電話が鳴った



表示は…紫耀くん




咄嗟に思いついた





あなた「はい、日向です」

紫耀『え、俺だよ?しょうだよ』

あなた「平野くん?どうしたの?」

紫耀『うん平野くんだけど…仕事終わったから帰るねー』

あなた「今どこ?」

紫耀『事務所、てかどうしたの?』

あなた「15分で着くからそこにいてもらえる?お願い」

紫耀『いいけど…』

あなた「ありがとう」

紫耀『え、来るの?』

あなた「うん、タクシー乗ったらかけ直す、後でね」


.
.
.


あなた(ちょっと強引だったかな…)


スマホを鏡にして背後を確認すると

女の子達はまだ物陰に隠れていた



あなた(…私の存在、気になるんだろうな)



確かに私みたいな普通の女が

人気アイドル2人とスーパーで一緒にいれば怪しいかも…



下手な尾行に気づいていない振りをして、

近くのタクシーを止めた



運転手さん「どちらまで行かれますか?」

あなた「ジャニーズ事務所までお願いします」





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