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紫耀side
ー夜ー
紫耀(まだかな……)
帰宅してからずっと携帯を肌身離さず持ち、
ある人からの電話を待っている。
紫耀(絶対折り返してくる)
☎︎♪♪♪
紫耀(き、きたぁぁぁぁ!)
紫耀「もしもし?」
あなた『…あ、紫耀くん?』
紫耀(わ、あなたの声だ…)
紫耀「うん、久しぶり」
あなた『昼間、電話出られなくてごめんね?』
紫耀「全然!学校だったんでしょ?」
あなた『うん』
紫耀「敬語とれたね」
あなた『あっ、無意識だった(笑)』
紫耀「タメがいい!」
あなた『よかった〜(笑)』
紫耀「あのさ、あなた今週末空いてる?」
あなた『あ…空いてるよ?』
紫耀「なんで疑問形?(笑)」
あなた『びっくりしちゃって…(笑)』
紫耀「付き合ってほしいとこあるんだけど、いい?」
あなた『うん、いいよ』
紫耀「あ、変なとこ連れて行ったりしないから!」
あなた『心配してないよ…(笑) 』
紫耀「よかった、時間はLINEする」
あなた『了解です』
紫耀「…じゃ、またな」
紫耀(…………あなたに会える…!)
────
あなたside
あなた(き、緊張したぁ…………)
あなた(紫耀くんと電話しちゃったよ…)
未だに実感が湧かない
彼が有名人で、ジャニーズで、
私と違う世界の人なのは頭では分かってる
あの日は本当に、偶然の出会いだった
あの日きりで関わりがなくなっておかしくなかった
でも、今電話していたのは
紛れもなく、あの平野紫耀くん………
📱♪♪♪
あなた(あ、LINE…)
あなた(迎え…どこ行くのかな…?)
紫耀くんは…
どうして電話なんかしてくれるんだろう
どうして休みの日に誘ってくれるんだろう
偶々出会った一般人を物珍しく思ったのかもしれない
(最初怒ってたし)
ただの気まぐれかもしれない
ううん、暇つぶしなのかもしれない
紫耀くんは有名人、紫耀くんはジャニーズ
紫耀くんは、キラキラした世界の人
こんなに幸せな日は、きっと長くは続かない
大丈夫、分かってる
でも────
少しだけ、
ほんの少しだけ、
────約束を、楽しみにしてもいいのかな…?
°
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!