第9話

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2020/05/10 00:00
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紫耀side



ー夜ー



紫耀(まだかな……)



帰宅してからずっと携帯を肌身離さず持ち、

ある人からの電話を待っている。



紫耀(絶対折り返してくる)



☎︎♪♪♪



紫耀(き、きたぁぁぁぁ!)




紫耀「もしもし?」

あなた『…あ、紫耀くん?』



紫耀(わ、あなたの声だ…)



紫耀「うん、久しぶり」

あなた『昼間、電話出られなくてごめんね?』

紫耀「全然!学校だったんでしょ?」

あなた『うん』

紫耀「敬語とれたね」

あなた『あっ、無意識だった(笑)』

紫耀「タメがいい!」

あなた『よかった〜(笑)』

紫耀「あのさ、あなた今週末空いてる?」

あなた『あ…空いてるよ?』

紫耀「なんで疑問形?(笑)」

あなた『びっくりしちゃって…(笑)』

紫耀「付き合ってほしいとこあるんだけど、いい?」

あなた『うん、いいよ』

紫耀「あ、変なとこ連れて行ったりしないから!」

あなた『心配してないよ…(笑) 』

紫耀「よかった、時間はLINEする」

あなた『了解です』

紫耀「…じゃ、またな」




紫耀(…………あなたに会える…!)




────


あなたside




あなた(き、緊張したぁ…………)

あなた(紫耀くんと電話しちゃったよ…)



未だに実感が湧かない


彼が有名人で、ジャニーズで、
私と違う世界の人なのは頭では分かってる


あの日は本当に、偶然の出会いだった

あの日きりで関わりがなくなっておかしくなかった


でも、今電話していたのは

紛れもなく、あの平野紫耀くん………


📱♪♪♪


あなた(あ、LINE…)


ひらのしょう
日曜の12時に迎え行くな


あなた(迎え…どこ行くのかな…?)
あなた
了解👌🏻ありがとう!



紫耀くんは…

どうして電話なんかしてくれるんだろう

どうして休みの日に誘ってくれるんだろう



偶々出会った一般人を物珍しく思ったのかもしれない

(最初怒ってたし)

ただの気まぐれかもしれない

ううん、暇つぶしなのかもしれない



紫耀くんは有名人、紫耀くんはジャニーズ

紫耀くんは、キラキラした世界の人


こんなに幸せな日は、きっと長くは続かない


大丈夫、分かってる




でも────


少しだけ、


ほんの少しだけ、


────約束を、楽しみにしてもいいのかな…?





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