第64話

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2020/09/11 00:00
°



紫耀side


(#60 紫耀side ver.)





俺はその日、あなたを迎えに家まで行った


電話で「すぐに来る」と言ったあなたは中々来なかった





紫耀(遅い……早く会いたい………)


紫耀「てか夕陽沈むじゃん!!!!」



.
.
.



ガチャッ



あなたが来たのは、30分後だった




紫耀「あなた?」

あなた「紫耀くん…」




紫耀(……!?)




後部座席に乗ってきたあなたの方を

「遅かったね」と振り向くと、

なぜか、泣いていた





あなた「待たせちゃってごめんね…ほんとに…ごめん……」





いや、そんなことどうでもいい





紫耀「なんで泣いてんの…?」




そう聞くと、「は?」みたいな顔をしてくる


まさか気付いてないんですか





あなた「……ほんと…」

あなた「なんで……?」

紫耀「…?逆になんで…?」





さっきの電話までは普通だった


まさかこの短時間で何かあったとか……

えぇ、何だ…………?





あなた「紫耀くん………会いたかった……」

紫耀「会えてるよ?(笑)」





泣きながら突然可愛いあなたさん(20)





あなた「な…泣く…待っ……無理…(号泣)」

紫耀「えっ!何で!?」




泣く宣言をした後、そのまま号泣




何が何だか分からない俺はあたふた


とにかく急いで後部座席へ回り、あなたの手を握ってオロオロしていた


 

そして数分後、泣き止んだ





「なんかあったの?」と聞くと、

「今度話す」だそう



.
.
.



紫耀「落ち着いた?」

あなた「うん、ありがとう」

紫耀「どーいたしまして」

あなた「……紫耀くんが、一番好き」

紫耀「!?」



突然可愛いあなたさん(20)(再)



あなた「安心するし、一緒にいたい」

紫耀「急じゃん(笑)」

あなた「急じゃないよ、わりと毎日思ってる(笑)」



紫耀「……」



あなた「…?」





なんか、ふと、思った────




あなたに側にいてほしいと誰よりも思ってる癖に

あなたが俺から離れられる機会を与えていたこと




それは、あなたの

"一緒にいたい"

と思ってくれている気持ちを

大切にできていなかった




俺は、あなたのこと

信じていなかったも同然………






あなたは、こんなに真っ直ぐなのに────





あなた「紫耀くん?どうしたの?」

あなた「なに!?もしかして引いちゃった!!?」

紫耀「えっ、何が??」

あなた「やだ!嫌わないで!!」



そんなことあるわけない

思わず笑いが込み上げた



あなた「…え……はぁ?(笑)」




早く伝えよう



仕事とか、立場とか、世論とか、

確かに俺にとっては大事なこと




同じくらい

いや、それ以上に、

あなたが大切






いつからかは分からないけど

それがずっと変わらない気持ちになっていた



きっと、これからも





紫耀「ね、助手席乗って?」

あなた「助手席?なんで?」

紫耀「いいから」






他の誰かといる未来なんて考えられない


あなたにも、そんな未来があってほしくない





俺が幸せにする────






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