第7話

独り
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2020/09/09 08:05
仲の良かった友達。


クラスで孤独だった私を助けてくれた。


私の大好きだった友達。


私は彼女が居てくれなければいけなかった。


また独りになるのは嫌だ。


もう、あんな思いはしたくない。


あの頃に戻りたくないよ………





新しく、転校生が来た。


それからだった。


私がまた独りになったのは。


その転校生は小学生の時友達だった子だ。


私も初めは転校してくることを望んでいたし、


その事を嬉しく思っていた。


だけど、転校してきてから何日か経って。


その価値観は変わった。


こんなことになるなら、来てほしくなかった。


なんて、


最低なことばかり考えてしまう。


その子は悪くないし、私の友達だって


悪いわけではない。


誰も悪くない。


全部、私が悪いの。本当に全てが


何もかもが、


私のせいなのに。


なのに、


「なんで、私には声を掛けてくれないの?」


大好きだったのに………


ああ、やだ………


嫌いたくない。嫌われたくない。





そんな思いを抱えて、


また何日か経った。


避けられてたと思っていたのは勘違いだった。


そう考えるようになった。


むしろ避けているのは自分なんだ。


転校生のあの子と、私の好きな友達は


親友で。


楽しそうに話しているところに


入る隙は無くて。


自分から


友達の所に行かなくなった。


行けなかった。


だって、


私がそこにいても意味がないから。


邪魔だから。


そう決めつけて、


私は独りになった。





結局は


すべて自分が悪かったのだ。


その友達にとって私は、多分


暇潰しに使う玩具程度の人間なのだ。


現に今、私はこんな馬鹿馬鹿しい事を考えている。


まわりから見たら気持ち悪いだろうな。


引くだろうな。


でももう慣れた。


独りでいることに慣れてしまった。


私は休み時間、独りで本を読んでいればいいのだ。


それだけでいい。


誰にも迷惑を掛けないし。


本でも読んでれば


寂しいのも少しは忘れられるでしょ?


なら、


私はそれでいいや。









綺麗事ばかりの私より。

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