第3話

約束
127
2019/02/26 10:19
【太陽の女神様side】
太陽の女神
太陽の女神
ふあぁ……
目を開けると、真っ青な大空が視界に入る。

……どうやら、いつのまにか寝てしまったみたいだ。

体を起こし背伸びをして、まわりを見渡してみる。
太陽の女神
太陽の女神
あれ…月は……?
周りを見渡しても、私の大切な妹、月はどこにもいない。

心臓がドクドク、加速してきた。

どうしよう……。月に何かあったんじゃ…!
月の女神様
月の女神様
あ!お姉ちゃん!おはよ~♪
その時、私の心配をよそに、能天気な明るい声が聞こえた。
太陽の女神
太陽の女神
……!!!
月の女神様
月の女神様
もう、いつまでも寝てるの?……って、お姉ちゃん?どうしたの?
太陽の女神
太陽の女神
………月いいいいいい~っ!!
月の女神様
月の女神様
う、うわあぁぁ!?
私は思わず、思いっきり月に抱きつき、泣き叫んだ。

良かった…!心から安堵し、月をぎゅうぅっと抱きしめる。
月の女神様
月の女神様
……ちょ、ちょっと…痛い痛い痛いっ!
月に全力で引き剥がされ、仕方なく離れる。

やめて、そんな目で見ないで?

その時、月が何かを持っていることに気づいた。
太陽の女神
太陽の女神
あれ…月、何持ってるの?
月の女神様
月の女神様
あ…!
月はハッと思い出したように呟き、急におどおど、恥ずかしそうにする。

可愛い。(真顔)
月の女神様
月の女神様
あの…、これ、お姉ちゃんにっておもって…作ったんだ…
恥ずかしそうにそう言って、私へ……
小さな花冠を差し出す。

それはボロボロで、花びらが何枚か落ちてしまった、不器用で、しかし、月が一生懸命作ってくれた、可愛いユリの花冠……
太陽の女神
太陽の女神
ぅ……
私の頬を、一粒の涙が流れた。

言葉に出来ないほどの愛が溢れて、とめられない。

何百年、一緒に喧嘩して、泣いて、ぶつかり合っても、愛は、永遠に消えることはない。

月、本当に、本当に………
太陽の女神
太陽の女神
ありがとう……!!
精一杯の笑顔で顔をあげると、そこには…

私と同じ様に、涙で顔を濡らし、笑顔でいっぱいの月の姿が見えた。
月の女神様
月の女神様
お姉ちゃん、私達、この先もずぅ~っと、一緒だからね!
太陽の女神
太陽の女神
うん!もちろんだよ!
そうして私達は、青空の下、笑顔で約束を交わした。

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