坂田side
莉犬くんの様子がおかしい。
エゴサの時間誰よりも楽しそうなのに、
誰よりも悲しそうだった。
きっとそれにうらさんも気づいてると思う。
うらさんは笑顔にさせようと思って、
あの説を言ったんだと思う。
そして俺は、「坂田」でのエゴサが一通り終わり、
「🚢❤️」で調べることにした。
そういう事か……
莉犬くん直接じゃなくて……
やっぱりコラボしない方がいいのかな…
なんて考え始めてる自分が嫌だった。
この家のルールは惑わされない。
エゴサで悲しまない。考え込まない。なのに…
どうしよう。もしこれで…これで…
家のルールを破ったからって追い出されたら…?
ななもりさんはすごく優しい。
うらさんが優しいのはもちろん知っている。
でも、俺のリスナーさんからや、アンチからは、
ものすごく叩かれていて、正直言うと悲しい。
俺がこんなにも思うことは珍しい。
ななもりさんは来てすぐの時にも助けてもらった。
家に来た時のこと
やばい…めっちゃ緊張する……
なんでうらさんや、センラ、志麻くんは平気なの!?
莉犬くんと、るぅとくんだけ話したことあるけど、
あとの4人とは話したことないよ!?
こんなに励まされてるのに…
まだ不安な俺が情けない。
馴染めるか分からない不安の中、
車へ向かおうとした時だった。
それって……「最強ライバル」の歌詞……
見てくれてるんだな……と、思いつつ、
ななもりさんが言っていた通り、気にせず…
そう。メンバーといる時と同じでいい。
何も気にしなくていい。だって、
莉犬くんや、るぅとくんとだって……
ななもりさんからのその言葉は、
俺にとってものすごく救いだった。
すとぷりメンバーともそうだか、お仕事の人。
今まで話せなかった人と話せるようになった。
いつも顔色を気にしてくれて…
メンバーだけじゃなく、俺にまで……でも、
その裏にある苦労がまだ俺はわかってなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。