後日、あなたの送別会が開かれた。
送別会には、あなたのクラスメイト、部活の先輩、後輩
先生、近所の人達も来ていた。
もちろん親族も。
そして、
隣の家の今井両親も来ていた。
しかし、るぅとだけはその場にはいなかった。
それからというもの、俺達一家は活気を失った。
あなたを刺した通り魔がまだ捕まっていないこともあり、
お母さんは毎晩泣きじゃくっていた。
お父さんも無口になってしまい、
俺は餌もろくに貰えていない。
散歩はいつもあなたの役割だったし、
はたから見れば動物虐待状態だ。
でも、そんなことは俺にとっちゃどうでもいい。
あなたが、生きてくれていればそれでいい。
餌だって食べなくたって、
散歩だっていけなくたって、
あなたがまた、"莉犬"って元気に、笑って呼んでくれればそれだけでいいのに
それだけでいいから。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。