皇輝side
〔初めまして西園寺あなたです〕
制服が着慣れて来た頃私立高では滅多に来ない
転校生が来た。
席は少年漫画でよくある隣の席ではなく斜め前の織山尚大の隣の席になった。
あなたが転校して二ヶ月たった、その時には
行き帰りするほど仲良くなっていた。
今日もいつものように並んで帰っていると
あなた〔皇輝くん、あのさ相談があるんだけど…〕
皇輝「うん」
あなた〔私の隣の人って織山尚大君だよね、〕
皇輝「うん、そうだね、」
あなた〔あの、好きというか、気になるんだ〕
皇輝「……協力するよ」
あなた〔本当…!ありがとう!〕
まおから恋愛相談をされた、なんだか悔しくて唇を噛み締めた、その日は僕の気持ちをあざ笑うかのように沈みかけた夕日が僕を眩しく照らしていた、
担任「今日の朝織山が遺体で見つかった」
次の日の朝涙で目を腫らしたであろう担任が
僕たちに衝撃の一言を放った
あなた〔嘘…〕
先程まで騒がしかった教室が一瞬静まり返った
そしてみんな声を出して泣いた。
あなた〔嘘だと言ってよ…織山君〕
僕でない人を思って泣く君はとても美しく、
可憐だと血のついた包丁を片手に思った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。