「あれ・・・」
確かにここにあったはずの家がない
いや、建物自体はあるのだが
中に人はおらず
玄関を開けると床にはホコリが溜まっていた
お丸「あなたがここを出てから家を変えたのかも」
それしか考えられない
しかしなぜ・・・
お丸「黒影組に寄って行っちゃってる」
おでこを弾かれてお丸ちゃんと目が合う
お丸「あなたは今はこっちの人間でしょ」
「忘れてないよ」
お丸「ならいいけど」
玄関から出て
付近を少し見回るも特に何も見つからず
残念な気持ちとホッとした気持ちで
胸が変になった
お丸「夜ご飯食べたら今度はあたしと一緒に来てよね」
「もちろん。今日の夜ご飯は?」
お丸「いつもと変わらない」
「お茶漬けー?」
お丸「今日はお漬物もつけようか」
「やったー」
私たちは繋いだ手を大きく振りながら
親子がしそうな会話をした
それがとっても幸せで
このままお団子屋になりたいって思った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!