「ん?」
お丸「やだ、ちょっと驚かさないでよ」
私が立ち止まって耳をすませると
お丸ちゃんは怖がった
「いや、なんか聞いたことある声がして」
お丸「へ?聞き間違いじゃないの?」
「んー・・・」
コソコソと遠くの方で声がする
その声は確かに聞いたことのある声で
「・・・金さんと銀さん」
という答えが腑に落ちた
金之助「こわいよぉ」
「ほら、金さんが怖がってる」
お丸「ほんとだ。よーく耳をこらすと聞こえる」
お丸ちゃんと一生懸命2人の声を聞く
お丸「ねぇあなた、あの2人危ないんじゃない?」
お丸ちゃんの言うことは正しい
基本的にあの2人は大人と一緒にいる事が少ない
出会った時も・・・
「私、ちょっと行ってくる」
お丸「あ!ちょっと!!」
お丸ちゃんが止めようとしたのを振り切って
私は走った
出会った時もあそこで襲われそうになっていたのに
なんで・・・
「金さん、銀さん」
「「ひゃーっ!!!」」
やっぱり
2人でぴったりくっついて歩いていた
金之助「え?!あなた」
銀之助「お、お前っ、びっくりさせるなよな!」
ひっくり返ってしまった2人が口々に言う
でも私はそんなのお構い無しに
2人に抱きついた
「無事でよかった」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。