夕方お店を飛び出すと
お丸「どこ行くの?」
と飛び出した先にお丸ちゃんがいた
お丸「あたしも行くわ。その代わり夜はあたしに付き合ってね」
「うん」
お丸ちゃんが私の手を握る
「私そんなに子供じゃないよ」
お丸「いいでしょ、娘と手を繋いで歩くくらい」
キュンってした
今お丸ちゃん私のこと娘って言った
お丸「それで?どこに行くつもりだったの」
「黒影組のところ」
そう言うとお丸ちゃんはビックリした顔をした
それはそうだ
でも元に戻るわけじゃない
「鼠小僧を殺したがってた人達が新吉さんのこと黙って見てるわけがないもん」
お丸「なるほど、愛のある行動ってことね」
お丸ちゃんは私を撫でて
お丸「そういう所は私そっくりね」
と言った
「なんか本当の親子みたいだよ」
お丸「親子に嘘も本当もあるもんですか」
お丸ちゃんは私に向き直って
わしゃわしゃと頭を撫でる
お丸「誰がなんと言おうとあなたは私の子供よ」
「わかった、わかったから頭やめて」
お丸「わかるまでやめない」
「だからわかったんだって」
くしゃくしゃの頭を見てお丸ちゃんが笑う
それを見て私も笑った