夕方お店を飛び出すと
お丸「どこ行くの?」
と飛び出した先にお丸ちゃんがいた
お丸「あたしも行くわ。その代わり夜はあたしに付き合ってね」
「うん」
お丸ちゃんが私の手を握る
「私そんなに子供じゃないよ」
お丸「いいでしょ、娘と手を繋いで歩くくらい」
キュンってした
今お丸ちゃん私のこと娘って言った
お丸「それで?どこに行くつもりだったの」
「黒影組のところ」
そう言うとお丸ちゃんはビックリした顔をした
それはそうだ
でも元に戻るわけじゃない
「鼠小僧を殺したがってた人達が新吉さんのこと黙って見てるわけがないもん」
お丸「なるほど、愛のある行動ってことね」
お丸ちゃんは私を撫でて
お丸「そういう所は私そっくりね」
と言った
「なんか本当の親子みたいだよ」
お丸「親子に嘘も本当もあるもんですか」
お丸ちゃんは私に向き直って
わしゃわしゃと頭を撫でる
お丸「誰がなんと言おうとあなたは私の子供よ」
「わかった、わかったから頭やめて」
お丸「わかるまでやめない」
「だからわかったんだって」
くしゃくしゃの頭を見てお丸ちゃんが笑う
それを見て私も笑った
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。