その条件は黒影組よりいいだろう
新吉「おいお丸、あなたが本気にしちまってるだろ」
お丸「違う、あたしは新吉親分に言ってんのよ」
私を挟んで2人が言い合うのを
あべぞうは心配そうに見上げていた
「私はただ、私が変わりになってみんなが救われるならいいなって考えただけで・・・」
そういうと大きな手が私の頭にポンッと乗った
新吉さんを見たら
少し前の次郎吉さんみたいに
優しい顔をして私を見ていた
新吉「あなたはここで団子を俺に出してくれ。それで俺が救われる。俺はあなたが待っててくれてると思うと頑張れるからな」
それだけ言って
サッと立って歩いて行ってしまった
私はお丸ちゃんと顔を見合せた
「これは、私が二代目お丸ってこと?」
お丸「バカッ。もー、胸きゅん返しなさいよぉ」
はぁー、と大きくため息を吐いて
お丸ちゃんは仕事に戻って行った
私はあべぞうを見たが
あべぞうも何か言いたそうな顔で
あべぞう「にゃー」
と鳴いて膝から飛びおりて行ってしまった
「なんだみんな・・・」
ぽつんと取り残された私は
ふぅ、と息を吐いてお団子屋の中に戻った