続き(家に到着しました
飛ばします
こうみえても料理の腕には自信があった
思えばここが運命の狂いだしでした
と言って彼は行ってしまいました
樹side
詩音が暗いからやめとけって言ったけど
1番近いスーパーまで歩いて5分だし
そもそもこの街じゃ俺、恐れられてるし
目つきが悪いのもあってか皆逃げてくし
危ないなんてことは、まずない
(醤油を購入
さてと早く帰んねーと…
タッ…タッ…タッ…タッ…(急ぎめで歩く
あと曲がり角ひとつで家につく……そのときだった
??「キャーーーーーーーーーー!!」
誰かの悲鳴が聞こえた
足が勝手に悲鳴の方へ走っていた
俺の目に飛び込んできたのは
頭を押さえつけられて目に涙を浮かべる女と
女の頭を押さえつけ顔を殴ろうとしている男
女「やめて……キャア!」
ドカッ…ボコッ!
男は何も言わなかった
数年前の田中家________________
バコッ!…バタッ
母親「痛い…」
父親「痛いじゃねーよ、」
グイッ(顔掴み上げる
父親「お前は俺の所有物なんだからよォ、言うこと聞けよ」
ドカッ…バコッ…(殴り続ける
小さい頃…親父は毎日のように母さんに暴力を振るっていた
母さんは一切抵抗しなかった
俺は小さかったから何もできなかった
とにかく怖くて部屋の隅で震えていた
_________________
男「(無言で女を殴り続ける)」
胸が苦しい…痛い
まるで…
あの日の母さんを見てるみたい
弱くて小さかった俺は何も出来なかった
もう少しで女は気を失うだろう
最悪死ぬ
俺に……助けられるのか?
俺は人を救えるのか?
その気持ちが先走って俺は男の背中を目がけて飛び蹴りした
ボキッ!
かなり力を込めて蹴ったから骨が折れたんだと思う
だけど………
男が起き上がることはなかった
"死んだ、俺が殺した"
そんな呪文のような言葉が脳内を駆け巡った
女は脇で見ているだけだった
なんでこの状況でそんなことを言ったんだろうと今でも思う
女は走って逃げた
だけど俺は気づいた
男の腹には刃渡りの短いナイフが突き刺さっていることに
恐らく女がやったんだろう
ナイフは大きさからみて護身用
つまり俺が殺したのではなかったのだ
この後、俺は巡回中の警官に見つかり逮捕された
確信した
人を守ること庇うことは一握りの人間にしかできない
少なくてもその一握りに俺は入ってない
俺が人様の役に立つなんて無理なんだって
【次】
ここで裏設定をご紹介しますね↓↓↓↓
このあと樹は自分で罪を被ってしまいます
しかし詩音ちゃんはずっと彼を信じていました
鞠ちゃんと虹ちゃんは施設に引き取られますが
詩音ちゃんが定期的に会いに行っていました
鞠ちゃんも虹ちゃんもお兄ちゃんに
会いたがっています
ちなみに父親は結局、アル中で死んでいます
てか尺取りすぎですね
すみません
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。