長い夢を見ていた
目覚めが悪い今日
涙と汗でぐちゃぐちゃな顔
気持ちが悪くてシャワーを浴びる
お風呂から出ると
テーブルの上にぐちゃぐちゃに殴り書きした紙が
そこには
『渡辺翔太 雪村病院 609』
それから
『私の恩人。川に溺れたのを助けてくれた人。絶対忘れちゃ行けない人。』
と書かれていた
でも、不思議なことに
私は何も知らないのだ
辛うじて知っているものといえば
雪村病院だろう
小さい時に入院してた
なんで入院してたんだっけ
ズキッと頭が痛んだ
小さい時の記憶が無いのは
この人が関係しているのかもしれない
モヤモヤした頭で考えて
出かける支度をした
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。