あまり眠れなかった私は
夜中から朝にかけてパソコンでまた仕事探しをした
待てど暮らせど面接の予定は入らない
不思議と悲しさはなかった
だろうなって感じ
翔太「あれ?飯は」
欠伸をしながら起きてきた翔太くんは
不思議そうな顔をした
しまった。
「今何時?」
翔太「えぇ、9時?」
時計を指さして私に聞く
うん、間違いなく9時だ
「ごめん、すぐつくるね」
翔太「あ!俺パン食べたい」
そう言って冷凍してある食パンを出してくる
「パンだけ?」
翔太「うまいじゃん」
「そっか」
ならいっか、
たまにはこんな日もありだろう
トースターにパンを2枚入れて
私はそそくさとパソコンを片付けた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!