第34話

「ゆめのゆめ」
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2020/10/07 15:03
あれから数年経った

私は調理の専門学校に通っている

製菓を取り扱っているところで

少しだけ夢に近づいている気がしている

朝から夜まで予定がびっしり

今日も夜まで働いて家に帰る


翔太「あなた」


玄関の前に男の人の影が

なんだか懐かしい


翔太「迎えに来た」


「鍵あるんだから入ってればいいのに」


翔太「違うんだって」


あれから涼太くんのおかげで

見事に付き合うことになった私たち

お互いの家を行ったり来たりする為に

合鍵を持っているのに

今日は玄関の前で座って待っていた


翔太「これからずっと一緒にいてくれませんか」


出会った時と同じ格好で

同じようなことを言う


「7日間だけじゃなくて?」


翔太「ふざけてんの?」


「ごめんごめん」


あれから翔太くんは年相応になったと思う

そんな翔太に抱きついた


「もう消えないでね」


翔太「もう離さない」


ぎゅーっと抱き合って

微笑み合う

どこかの誰かに感謝しながら静かにキスをした

それから数ヵ月後、私たちは純白に包まれて

神さまに誓いを立てるのであった

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