さっきの5歳という言葉が引っかかる
「翔太くんはさ、なんでさっき5歳って言ったの?」
そう聞くとビクッと肩を震わせた
「聞かない方がよかった?」
翔太「いや、病院にね5歳の時からずーっといるからそのまま時が止まってたっていうか」
もごもごと話す翔太くん
そんな仕草はなんだか5歳の男の子が
恥ずかしそうにお話する仕草に見えた
「なんかの病気?」
翔太「病気、なのかな?最近外出ていいよって言われたから」
「そうなんだ。でも元気そうでよかった」
そう笑うと
彼も恥ずかしそうに笑った
翔太「あなたは今何やってるの?」
そんな翔太の質問に
私は思ったよりも冷静に答えた
「昨日大学辞めて、今就活始めたところ」
翔太「だい、がく?しゅう、かつ。」
「大人が通う学校。それから就活はお仕事見つけること」
翔太「なんで?ケーキ屋さん開けばいいじゃん」
きょとんとした顔でそんな難しい事を言う
翔太「俺あなたのケーキ毎日食べに行くよ?」
きっと慰めてくれているんだろうなと思った
そう思うと少し可愛くて笑ってしまう
「ありがとう」
そうお礼を言うと
すごいドヤ顔で
翔太「おう!」
と言った
そんなお互いの情報を交換して1日が終わった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。