第4話

1日目「5歳児」
3,145
2020/09/04 17:27
さっきの5歳という言葉が引っかかる


「翔太くんはさ、なんでさっき5歳って言ったの?」


そう聞くとビクッと肩を震わせた


「聞かない方がよかった?」


翔太「いや、病院にね5歳の時からずーっといるからそのまま時が止まってたっていうか」


もごもごと話す翔太くん

そんな仕草はなんだか5歳の男の子が

恥ずかしそうにお話する仕草に見えた


「なんかの病気?」


翔太「病気、なのかな?最近外出ていいよって言われたから」


「そうなんだ。でも元気そうでよかった」


そう笑うと

彼も恥ずかしそうに笑った


翔太「あなたは今何やってるの?」


そんな翔太の質問に

私は思ったよりも冷静に答えた


「昨日大学辞めて、今就活始めたところ」


翔太「だい、がく?しゅう、かつ。」


「大人が通う学校。それから就活はお仕事見つけること」


翔太「なんで?ケーキ屋さん開けばいいじゃん」


きょとんとした顔でそんな難しい事を言う


翔太「俺あなたのケーキ毎日食べに行くよ?」


きっと慰めてくれているんだろうなと思った

そう思うと少し可愛くて笑ってしまう


「ありがとう」


そうお礼を言うと

すごいドヤ顔で


翔太「おう!」


と言った

そんなお互いの情報を交換して1日が終わった

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