第2話

なりすましLINE #1
355
2021/10/02 08:28
※トレ(♂)スカ、ウオトレ(♀)要素アリ
「ちょっとアタシ、トイレ行ってくるから」

「おー、いってらー」
寮の自室、放課後のトレーニング後、スカーレットと2人で今日の授業の復習をしていた

……ほとんど俺が教えてもらってたけど

勉強にも疲れてきたので、ベッドにごろんと寝転がった
「っはー、1人だとやることねぇなぁ……」
そんなとき、ふと机の上に置いたままのスカーレットのスマホが目に入る

見ると、トレーナーとのLINEを開きっぱなしだった

佐藤 宏
お疲れ様。突然で申し訳ないんだが、今日のミーティング少し遅れそうだから、5時に変更でいいか?
ダイワスカーレット
ええ、大丈夫よ


そんな普通の会話だらけ……正直見てて面白くはない、見るもんじゃないと思うけど

すると急に、前にスカーレットと話していた時のことを思い出してきた
「そういや、お前ってトレーナーのこと話してる時、めちゃくちゃ楽しそうだよなー。もしかして、トレーナーのこと好きだったりすんのかよ〜?」
ニヤニヤしながらスカーレットに問いかける。コイツがキレたところを笑ってやろう、そんな魂胆からだった。

しばらくしてきた返答は……
「………………は、はぁ…………?」
顔を真っ赤にして呆然とするスカーレット、そして返ってきたのはその一言だけだった
……前はなんだコイツぐらいにしか思わなかったけど、今思えばそれってもしかして……そういうこと…なのか……? アイツ……マ、マジか…………!
「う…………!」
鼻血が出そうな気配がして、急いでティッシュで鼻を抑える

が、杞憂だったようで、鼻血は出てこなかった。気持ちを落ち着かせようと一息つく
「ふぅ…………」
……良いコトを思いついた。ここで俺がスカーレットのフリをして、アイツのトレーナーにLINEをすれば、面白いことになるんじゃないか……!?

よし、そうと決まればさっそくやろう! そう思い、スカーレットのスマホを手に取り、ササッと文字を打っていく

アイツの口調や言いそうなことはだいたいわかっているつもりだ、トレーナーへの態度は俺への態度とそれほど変わらない。……いや、俺よりはちょっと甘いか。まぁ、それも今回は関係ないけど
ダイワスカーレット
ねえ、トレーナー
ダイワスカーレット
アタシ、トレーナーのことが好き
「ちょっとアンタ、人のスマホで何してるのよ!」
そこまで打って、スカーレットの怒鳴り声が聞こえてきた

戻ってきたスカーレットは、スマホを触っている俺を見るなり、バッと俺からスマホを奪い取った
「ん? 何これ……『ねえ、トレーナー』、『アタシ、トレーナーのことが』…………は、はあぁぁぁ!? ちょっ、何してくれてんのよ!!」

「大丈夫だって!お前らのことずっと見てきてるんだぜ?」

「そういう問題じゃなくて……! ていうかアンタ、そういう話題苦手だったでしょうが! ティッシュ持ってるってことは、鼻血出そうになったんでしょ!」

「そ、それは別にいいだろ! 気が向いたんだよっ、それに否定しないってことは、そういうことだろ?」

「ぐぬ……アンタねぇ…………!」

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