第5話

君しかいないから〈フラウンス〉
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2022/07/26 04:56
「フラワー! この前はノートマジありがと〜! おかげで赤点回避できた〜!」

「ヘリオスさん、パーマーさん。いえいえ、 私なんてそんな……」

「謙遜することないって! ほんとにフラワーのおかげだよ。ありがとう!」

「それな! ウチらあれが無かったら今頃補習だったし!」

「そうですか…お役に立てたなら良かったです!」

「フラワー! ハグしまショー!」

「わっ! タイキ先輩!? き、急にどうされたんですか?」

「ワタシ、今ベリーハッピー! デスから、フラワーにハッピーのおすそ分けデース!」

「タイキ先輩……えへへ、ありがとうございます!」

「フラワー君、キミが育てている花を少し分けてもらいたいんだ。実験に必要でね」

「タキオンさん! はい、もちろん大丈夫ですよ! どのお花がいいでしょうか?」

「助かるよ。ありがとう、フラワー君」

「いえいえ、いつでも言ってください!」

最近のフラワーは、なかなか私と話をしてくれない


私以外のウマ娘と一緒にいる機会が増えて、私と会話をすることが自然と少なくなっていた

私はいつでもフラワーのことを考えてるっていうのに、フラワーはきっと今、私のことなんて考えてないんでしょ?

ああ、フラワーの視界に入りたい。フラワーと話がしたい。フラワーに触れたい──

フラワーに誰か見知らぬウマ娘が近づいている



……抜け駆けなんて、させない

「ねぇ、フラワーちゃ「フラワー」

「あ……セイウン…スカイさん……」

「わぁ、スカイさん! なんだかおひさしぶりですね! 会えて嬉しいです!」

「にゃはは〜、私もだよ。ひさしぶりに話がしたいなぁって。ところで、今日の放課後空いてる?」

「今日ですか? 今日はちょうどトレーニングもないですし、暇ですけど……」

「そっか〜、じゃあセイちゃんと一緒に出かけない? フラワーが好きそうな雑貨店見つけてさ」

「雑貨店ですか。なかなか行くこともないですし、ぜひご一緒させてください!」

「りょーかい。あ、あと話したいことがあってさぁ、今から食堂行かない?」

「はい、大丈夫ですよ!」

「ありがと〜、じゃあ行こっか」
ギロッと、さっきのウマ娘をひと睨みする
「ひっ…………」
すると、そのウマ娘はそそくさと逃げ出して行った
「それにしても、本当にひさしぶりな気がします。数週間ぶりでしょうか? なかなか会いに行けなくてすみません……」

「謝んないでよ。そんなことより、また会って話ができてることが、セイちゃんは嬉しいなぁ」

「ふふっ、私もです!」
そう言って笑うフラワーがかわいい

そして私たちは、この会えなかった2週間と3日の空白を埋めるように、いろんなことを話した

この時間がたまらなく幸せだ。スペちゃんたちといる時とは全く別の幸福感が確かにある

あぁ、私ってやっぱりフラワーが好きなんだな。そのことを再認識させてくれる


あ、そうだ。


他の人にとられてしまうくらいなら、今私が自分のものにしてしまえばいいんだ

「私、やっぱりフラワーのこと好きだ」

「え!? と、突然どうしたんですか? …でも、私もスカイさんのこと、好きで──」


「その”好き”とは違うんだよ」


「え…………?」


「私はね、フラワー。君のことが──」
私には、フラワーしかいないから

これからもずっとそばにいて、フラワー



オチありませんでした✌️

ところでセイウンスカイとニシノフラワーのお墓って、隣に立てられてるんですね

写真だけ見たけどなんだか素敵でした

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