第3話

なりすましLINE #2
271
2022/10/24 12:42
そうこう言ってる間に、送ったメッセージにいつの間にか既読が付いていた
「ん、ほら、既読付いたぞ」

「え!? ウソ、どうしよう……!」

「大丈夫って言ってるだろ? ちょっと待とうぜ」

「……う、うん…………」
そしてそのあとすぐ
ピコンッ
「きた! なんて書いてある?」

「ちょ、ちょっと待って! 一旦深呼吸してから……」

「だーそういうのいいから! ほら!」

「わ、わかったわよ!」
スカーレットが恐る恐る画面を覗き込む

そこに書かれていた内容は……
佐藤 宏
そうなのか? 俺オッサンだけど……笑
でも、そう言ってもらえて嬉しいよ。ありがとう
「……………………はぁ……」
多分、これは恋愛的な意味で受け取られていないやつだ

スカーレットのため息も、それを察してのものなのだろう
「…………まあ大丈夫だって! まだ──」
チャンスはある、そう言おうと思ったとき
ピコンッ
「! またトレーナーから……」

「ホントか!?」
スカーレットのスマホを覗き込み、文章を読む
佐藤 宏
これ、勘違いだったら恥ずかしいけど……
佐藤 宏
もしかして、恋愛的な意味で言ってくれてるのか……?
「……! トレー…ナー……」
気づいてくれたことが相当嬉しかったのか、スカーレットは泣きそうな目でスマホの画面を見ていた
「…………なあ、電話、行ってこいよ」

「……うん……うん……っ」
そう言ってスカーレットは部屋を出ていった
「……これ、もしかして恋のキューピットってやつか……?」
しばらくして帰ってきたスカーレットは、目を腫らしていた

でもその顔はさっきまでとはまるで違い、清々しい顔をしていた
「……どうだった?」

「…………トレーナーと担当ウマ娘っていう関係である今は、さすがにダメだって。」

「…………そっか……」

「でも……でもね」

「……トレセンを卒業する頃になっても、スカーレットがまだ俺のことを好きでいてくれたら、ぜひお願いします、だって」
スカーレットはにこっと笑って、そう言った
「……!! 良かったじゃん!これも全部俺のおかげだなー!」

「なっ、全部は言い過ぎよ!…まぁ、でも……」

「7割……いや8割くらいは……アンタのおかげ、かもね。……ありがと」

「こんな時くらい、素直にお礼言えばいいのに〜」

「う、うるさい!」
─翌日─
「ぷふっ」
教室で寝ていると、スカーレットの笑い声が聞こえたような気がした
「ん〜……」
薄く目を開けて、前の席のスカーレットの方を見る
「あ、起きた?」
「……アンタって、ほんとバカよね〜」
そう言ったスカーレットは、口に手を当て笑っている

……なんで俺は煽られてるんだ?
「はぁ? んだよ突然…!」
起き上がって反撃をしようとした

そのとき、自分の机に置いてあったスマホに気づく

トレーナーとLINEで連絡をしていて、そのまま寝てしまったのだ

……自分の中の嫌なセンサーがはたらいてしまった
「……まさかお前……!!」
案の定、LINEでトレーナーにメッセージが送られていた

その内容はというと、
ウオッカ
トレーナー、俺、アンタのこと好きだ
「〜〜〜ッッ!!!////」
コイツやりやがった!!

メッセージには既に既読が付いている、もう取り消したって意味はない

顔が真っ赤になっていくのがわかる。あとついでに鼻血もすぐそこまで近づいてる気がする

当の本人は昨日の仕返しよ、と言わんばかりの顔をしてこちらを見ている
ピコンッ
「なっっ!?!?」

「ふふっ、驚きすぎよ♪ なになに……」
俺のスマホを手に取ったスカーレットは、トレーナーからのメッセージを声に出して読み始めた
あなた
え? 突然どうしたの? なんか珍しいね(笑)
私もウオッカのこと好きだよ
「!?!?!?/////」
もう無理だ、頭がパンクして真っ白……
「うぅ……」
そして例のごとく鼻血が出てきた
「あーもうほら! ティッシュ!」

「う…さんきゅ……」

「ところで……行かなくていいの? アンタのとこのトレーナーも、なんか勘違いしてるみたいだけど」
ぐ……コイツも俺がトレーナーのこと好きって知ってて……!
「…………俺、行ってくる。トレーナーのとこ」

「そ、いってらっしゃい。せいぜい鼻血出さないように頑張んなさいよ」
そう言われ、俺はトレーナー室まで走った
急ブレーキはできるくらいのスピードで、トレーナー室までやってきた

俺はトレーナーに、誤解なくちゃんとこの想いを伝えないといけない
「あ、ウオッカ。どうしたの? そんなに息切らして」

「トレーナーっ!!」

「えっ、なになにどうしたの?」
言え! 言うんだ俺!


「…………俺……俺! トレーナーのこと──」

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