いつからだろう…こんなにため息つくようになったのは…もう何もかも疲れた。
社会人になったものの、残業は増える一方で思うように仕事が出来ずに悩む日々。
次第に失敗も増えていき、上司には当然怒られるので、失敗したくなくて自分なりに努力するが、頑張りだけが空回りする…
相談出来る人はいるが、相談しても軽くあしらわれてなんの解決にも至らない…
いっその事死んで楽になりたい…
そんな事考えながら歩いていた時、あなたと出会った…
ボーッとしながら歩いていた為、誰かとぶつかってしまった…
なんて優しい方なんだろう…笑顔も素敵な人だなぁ…
そう思っていると、気付かぬうちに見つめていたらしく、声をかけられた。
私、そんなに暗い顔してたんだ…笑
なんでだろう、どうせみんな私の事なんてどうでも
いいと思ってるだろうし、もう相談もしないと
思っていたけど、この人なら話したい…
そう思う自分がいた…
こうして私たちは近くの公園に行き、ベンチに座って、仕事の事、悩んでいる事、死んでしまおうかと思っていた事、全てを洗いざらい話した…
シルクさんなら、受け止めてくれると思ったから…
シルクさんの優しさが痛いほど伝わり、嬉しかった…
きっと私は頑張って来た自分を認めてもらいたかったのだろう…
シルクさんの言葉に涙が溢れ、止まらなかった…
公園に誰もいなくてよかったな…笑
しばらくして、シルクさんが戻って来た…
どれだけ優しい方なんだろう…こんなにも優しい人に出会った事がない。
きっと彼女さんも大事にするんだろうな…
って、なんでこんな事考えてるんだろ…笑
こうして私たちは連絡先を交換してお互い家に帰り、
数日後にお礼を兼ねてご飯にも行き、LINEでのやり取りが続いていた…
すっかり敬語も無くなり、普通に話せるぐらいまで
仲良くなっていた…
そして、何回かご飯行ったり、出かけたりするうちに、シルクの事が好きになっていた…
いや、一目惚れしていたのかもしれない…
初めて会った時のあの笑顔と優しさは今でも覚えているし、忘れられない…
話ってなんだろう…
ひょっとして、もう連絡取り合うのやめようとかかな…?
不安ばかりが募っていった…
待ち合わせの時間になり公園に行くと、シルクは既に着いていた…
嘘ついてるのバレバレだよ??
だって、鼻が赤くなってる…
2月だもん、寒かったよね…
その優しさがまた好きになる…
夢見てるみたいだ…
私の事を好きになるなんて、絶対にないと思っていたから、頭が追いつかない…
私なんかでいいのかな…?
この人はどれだけ私を泣かせればいいんろうか…笑
初めて会った時も泣かされたよね。笑
でも、今回の涙は違う、嬉し涙だ…
幸せな気持ちでいっぱい…
こうして私たちは恋人同士となり、数年後…
私たちは結婚をして、2人の子どもの母親と父親になり、お腹には新たな命を授かった…
シルク…あなたのおかげでこんなにも幸せな
日々を過ごせてるよ…
どん底に落ちていた私を救ってくれた、
あなたは私のヒーローです…
end…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。