第32話

俺の過去〜佐久間大介〜
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2022/10/11 09:09
〈佐久間 大介〉
俺は元々能力者ではなかった
親に捨てられた人体実験の子供だ
俺の両親はお世辞と言ってもいい人ではなかった
お金に飢えた汚い大人だった
当然愛されることも無く
泣く事も笑う事も教えて貰えなかった
だから、小2ぐらいまでは感情が無かった
そんな時に捨てられた
知らない人達に連れてかれて
知らない場所で
知らない機械をつけられて
散々痛めつけられた
施設の人は都合のいい殺人鬼を作る気だった
日に日に自分ですら知らない力がついて


制御が出来なくて
施設の人に押さえつけられ


痛めつけられて


怖くて痛くて逃げ出したくて


記憶にはないけど多分俺は暴走したんだと思う
気が付いたら自分が血だらけで


自分の周りには施設の人の死体が転がっていていた
この状況、自分の事が怖くなった
すぐに服を探して


施設を出た
季節をは冬だった
どこに行けばいいか分からず
ただ施設から離れてくので必死だった
しばらくするの公園に2人の男女が見えた
1人の男の子は俺より同じぐらいで


もう1人の女の子は俺よりも下ぐらい


おそらく兄妹なんだと思った
話しかけてら怯えていて
でもすぐに打ち解けることが出来た
阿部亮平と阿部李桜
この子らも俺たちと同じだった
違う点は元々能力者だったという事
逃げ出したという点では同じだった
心細かったのが少し安心した
お腹がすいても満足に食べられなくて


寒くて死にそうで


生きているのが奇跡なんじゃないかって思うほどギリギリだった
だけど
神様は残酷で
俺達に少しの幸せも感じさせてくれなかった
皆が俺達を睨む、蔑む


暴言を吐いて去っていく
誰も助けてはくれなかった
そんな中ある日1人の男の人が俺たちの前に来た
その人は言った
「利用させて欲しい」と
拾ってくれるわけでも助けてくれる訳でも無さそうだった
そして目的は俺だけだった
阿部ちゃんたちの事を悪く言う人について行くつもりは無い
でも...
大人
なぁ坊主
大人
俺の目、見えるか?
小さい時の大介
えっ?
何?目って
小さい時の亮平
待ってさっくん!
その目を見た時は遅かった
阿部ちゃんの声を聞いた時に遅かった
得体の知れない何かが俺の中に入ってきた


それが身体中ぐるぐると回る
おかしくなりそうだった
苦しくて辛くして...


どこか痛くて
このままだったら2人を傷つけてしまうかもしれない
小さい時の李桜
さっくん?
逃げて...俺から逃げて
男は笑いながら俺たちを見てた
俺達のことをちっぽけな友情と言った
そんな事..決してないのに
小さい時の大介
あ"ぁぁ
小さい時の亮平
さっくん..ねぇ..しっかりして
大人
無理無理笑
大人
その内我を忘れて暴れ回るさ笑笑
大人
坊主の能力、見させてもらわないとね
そんな事...しなくない


嫌だ..嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
嫌なのに...体が..言うことを聞かないの
今にも暴れ出しそうで


感じたことの無い力が湧いてきて怖い
小さい時の大介
ね..ねぇ2人とも
小さい時の李桜
な..に?
小さい時の大介
お願い...俺を...殺して..?
小さい時の亮平
えっ...?

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