第3話

婚約 3
1,061
2023/03/22 11:23
斎森香耶
斎森香耶
何よこれ!
斎森香耶
斎森香耶
こんなお茶渋くて飲めないわ
すぐに淹れなおして
(なまえ)
あなた
申しわけありません
斎森香耶
斎森香耶
もうお茶も満足に淹れられないなんて恥ずかしくないのかしら
斎森香乃子
斎森香乃子
本当にねえ
みっともないことだわ
()は思っていることです
(なまえ)
あなた
(もう何年もこの調子だ)
わたしは今年で十九になった 
良家の娘ならば嫁いでいて当然の年齢だ
しかし使用人同然の扱いを受けているわたしには縁談がなどなく
働けど賃金ももらっていないので家を出ることすらできない
(なまえ)
あなた
申し訳ありませんでした
大人しく下僕のように働くだけなのだ

屋敷内の掃除をすることはあまりない
うっかり継母や香耶と顔を合わせると何かと用事を言いつけられたり面倒なことが起こるからだ
使用人たちもそれをわかっているので気を使ってかわたしの分担は決まって洗濯や外の掃除だった
辰石幸次
辰石幸次
こんにちは
(なまえ)
あなた
幸次さん
こんにちは
この方は斎森家と同じく古くから異能を受け継ぐ辰石家の次男でわたしや香耶の幼馴染
辰石幸次
辰石幸次
今日はいい天気だねとても暖かくて
(なまえ)
あなた
はい 洗濯物がよく乾きそうで助かります
そしてわたしを斎森家の娘として見てくれる心を許せる人わたしがこんな何でもない会話をできるのは今は幸次さんだけ

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