第6話

囁き
52
2018/08/06 15:24
蓮斗
おはよう。
私が電車に乗り込むと蓮斗がドアの近くに立っていた。
桃子
お、おはようございます。
蓮斗はにこっとしてこちらを見て、私の前に立った。
昨日の出来事もあって笑顔の似合う人だと改めて思った。
蓮斗
もう敬語やめなよ。
俺、ももちゃんと仲良くなりたい。
私はこくりと頷いた。
電車が大きく揺れた。
蓮斗が手すりに捕まると手すりに持たれていた私との距離が縮まった。
顔がくっつきそうなくらいだった。
思わず、私は顔を下に向けた。
蓮斗
実は昨日一目惚れした。
蓮斗は私の耳元で囁いた。
そして、蓮斗は私の顔から離れた。
私は、頬が赤くなるのが分かった。
その場にいるのが耐えきれなくなった。
ちょうどいいタイミングで学校の最寄り駅に着いた。
私は、蓮斗から逃げるように電車を降りた。
真優
桃子?
途中で真優に話しかけられた気がするけれども、それよりも早く逃げたかった。

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