第2話

初登校
78
2018/08/06 13:26
学校登校初日。
学校の最寄り駅で私は、誰かに声をかけられた。
蓮斗
これ、落としましたよ。
そう言って、彼は私の生徒手帳を渡してくれた。
桃子
あ、ありがとう、ございます。
人見知りな私は、上手くお礼が言えなかった。
その上、その場から走って逃げ出そうとした。
蓮斗
え、ちょっと待ってよ!
彼に、肩を優しく捕まれて、振り返った。
彼は、笑顔を浮かべてこっちを見ていた。

双子の兄以外の男の人に近づいたのは久しぶりで、私の頬が熱くなっていくのが分かった。
桃子
あ、それじゃあ失礼します!!!
もう、彼の方を振り向かなかった。
駅から出ると、中学校からの親友の米谷真優がいた。
真優は、美人でスタイルもばっちり。
私と仲良くしてくれるなんて、夢のような完璧な女の子だった。
真優
桃子おはよ!
桃子
真優ちゃん、おはよ〜
2人で学校へ向かった。
さっきの出来事を話そうと思っていたけれど、あまりにも入学式への緊張がすごくて、そんな出来事も忘れてしまっていた。

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