第12話

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2018/08/08 07:27
蓮斗
ごめん、困ってるよね。
俺はももちゃんが男子苦手なの知ってるっていうのに、勝手に思い伝えて。
桃子
…っ
私が声を出す前に蓮斗が言った。
蓮斗
だから俺、ももちゃん傷つけたくなんかないからももちゃんの友達でいるわ。
私は自分の気持ちの整理がついていなかったため、何も言えなかった。
蓮斗
じゃあ、気をつけて帰って!
蓮斗は学校の最寄り駅に向かって歩き出した。
私は好きとか思っていなかったけれど、寂しくなった。
いや、本当は好きだったのかもしれない。
自分の気持ちが分からない。
桃子
( …これって恋なのかな。)
桃子
( …どこにも行って欲しくない。)
追いかけてちゃんと伝えればハッピーエンドだったんだろうか。
でも、足が動かない。
あっという間に蓮斗は見えなくなってしまっていた。
影から見ていた真優がでてきた。
真優
なに、やっぱ好きなんでしょ?
桃子
……好き…じゃない。
嘘をついてしまった。
誰かを好きになる、それ以上に怖い物はないから。

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