第3話

仕事後の旦那さん
2,134
2021/06/13 02:31
あなた「おおきにー」
最後のお客さんが出ていき、閉店時間になった。
治「今日も終わったな〜」
あなた「うん。今日もいっぱい来てたね〜。」
あなた「あっそういえば侑さんいつ来るの?」
治「確か8時ぐらいやな。それまでに明日の米炊いとくわ。」
あなた「そうだねー。じゃあ私は後片付けするとしますか。」
治「じゃあ頼むわ〜」
そうして2人とも別々の作業をし始めた。
私はテーブルを拭きはじめる。
少し厨房が見えて、そこでは治がお米をといていた。
私は鼻歌を歌いながらテーブルを拭き終えて、治の方に向かった。
あなた「終わったよー」
治「こっちも終わったで〜。」
お互いに、今日の分の仕事が終わり、ここからがふたりの時間なのだが、今日は治の片割れである侑さんがくる。
まぁ…もう少しで8時になるけど…
2人してカウンター席に座った。
あなた「今日もお疲れ様。」
治「あなたもお疲れさん。」
私が頭を撫でると嬉しそうに目を細めていた。
治「…あなた?髪おろしてくれへん?」
あなた「どうして…?」
治「おろしてる方が好きや。」
あなた「ふふっ。そうだったね(笑)」
治の言われた通りシュシュをしゅるりと解いた。
私は髪が長くいつもシュシュをつけて仕事をしている。休みの日は基本おろしている。
あなた「おろしましたよ?」
治「ん…やっぱりおろしてる方がええ。」
あなた「シュシュしてる私は嫌い?」
治「んなわけあるかいな。あなたはなんでも似合うやん。」
頬杖をしながら答えてくれてる。治は天然なのだろうか。
あなた「治もなんでも似合うくせに。」
治「俺はいい男やからな。」
あなた「ふふっ。そうですね。」
話しているうちに時計に目をやると8時がすぎていた。
治「そろっと来るな…。」
あなた「そんな嫌そうな顔して本当は嬉しいくせに〜」
治「…そんな事ないわ…それよりよりあいつ遅いわ。」
あなた「忙しいんだよ。プロなんだから。」
治「…俺もあなたと2人ではよ飯食べたいわ…」
あなた「なーに?侑さんと食べるんやから。我慢しな?」
そう言うとあからさまに悲しそうにする。まるでぐずってる子供だ。
あなた「こらしゅんとしない。ほらおいで?」
私が腕を広げると、私の肩に顔を置いて私は彼の背中に腕を回した。
あなた「よしよーし。ご飯食べたいね〜。治くん。」
背中をトントンしてやれば、さっきの不機嫌気味の彼はもういない。
なんなら嬉しそうにしている。
あなた「かわいいねぇ。治くんは。」
治「男に可愛いは禁句やで?」
あなた「そんなの知りませーん。」
すると店の前が少し騒がしくなり離れる。その時に彼の体温が離れて少し寂しくなる。
治「やっと来たか…。」
あなた「じゃあ準備するね。」
そうして私は厨房に向かった。

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