第2話

春のざわめき その1
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2021/03/25 09:43
 よく晴れた春の日。明るい服装で街はざわめいてウキウキと楽しそう。
 それでも私はこの時期必ず不安になる。
 生活の変化、新しい環境…本当に大丈夫かなんだか気持ちが落ち着かない。
浦野秀太
あの~、すいません
あなた
え?
 声をかけてきたのは金髪の明るい青年。ニコニコと笑って眩しいくらい。
浦野秀太
お姉さん、なんだか浮かない顔してますねぇ?
あなた
え、そんなこと無いです
浦野秀太
そーですかぁ?お時間あったらお茶しませんか?
 可愛い顔してナンパか?
浦野秀太
僕そこのカフェで働いてるんです。お客さんあんまり来ないから愚痴って良いですよ?
 普通だったら絶対信用できない話なのに不思議となんだか愚痴ってみたいと思ってしまった。この人はそんな不思議な魅力のある人だ。
浦野秀太
僕、浦野秀太って言います。名乗らないで誘ってしまってごめんなさい。さぁさ、お店行きましょ♪
 促されるまま、近くのカフェへはいることになった。

喫茶「OWV」

 どこにでもありそうな小さな喫茶店。昔ながらの佇まいは来たことがないのに懐かしい感じだった。
浦野秀太
居抜きで作ったからちょっと古いんだよねー。でもそこがよくないですか?
 太陽のように笑った彼に何度も頷いて共感する。
浦野秀太
さぁ、いらっしゃいませ。ゆっくりしていってね
 浦野くんに招かれて私は喫茶店に足を踏み入れた。

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