第10話

MILK その3
63
2021/05/30 23:25
本田康祐
他人を羨むのが嫌になるって?
あなた
はい。自分のできていないこと考えないことをやってる人が羨ましかったり、なんか孤独感じちゃったり
浦野秀太
うーん、確かに、羨ましいことってあるよねぇ。僕は勝くんが料理とか作れるの羨ましい!
中川勝就
とか言いながら、なにもしようとしてないやん。
浦野秀太
真似したところでおんなじものを作れないってわかってるもん
中川勝就
そんなん、レシピ見て作ればいいやん
浦野秀太
ちがうちがう、絶対違うもの出来るから
佐野文哉
逆に考えてみるにはどうだろう?
あなた
逆に?
佐野文哉
みんなの能力が一緒。それってさ、なんの魅力もないと思うんだ
あなた
たしかに
浦野秀太
みんな同じことしか出来ないっていうのもなんか怖いね
本田康祐
違うからこそ魅力的ってことだよね。あなたさんの出来ないことも裏を返せば素敵になる
中川勝就
お、良いこと言うやん
佐野文哉
もちろん出来ないことやってる人を羨ましくなるのは変なことじゃない。けど、同じように他の人から羨まれてるかもしれないよね
中川勝就
誰しもが持つ当たり前の感情を否定する必要はないってことやな
あなた
私に魅力なんて、あるのかな?
浦野秀太
あるある。少なくとも、こーんな客がいなくて儲かってるかどうか怪しい喫茶店でこんなに心開いて相談してくれるなんてピュアな人だなーって思うよ、ね?
本田康祐
お前店ディスりすぎ
中川勝就
儲かってるかどうかはさておき、怪しくはないと思うねんけど
佐野文哉
そんな怪しい店に連れ込むのはいつも秀太だけどね
浦野秀太
ちょっと待って、俺が怪しいみたいになってない?
中川勝就
ブーメランやな
浦野秀太
ちょっと、酷くない?
本田康祐
言い出しっぺお前だし~
 4人の会話を眺めながら、自分の魅力には気が付けないけど、こんな自分でもいいと思った。
佐野文哉
あなたさん?そのままで、あなたは魅力的ですよ
あなた
あ、ありがとうございます
 自分をちょっとだけ好きになれた気がした。おかわりのカフェラテもいつもより少し甘く感じた。






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