店内にはいるとニッコリ微笑んだ本田さんがもうオーダーを聞いてくる。
奥で何やら炒める音がして、バターのいい香りがしてくる。目の前では本田さんがメロンシロップをコップに計り入れ手慣れた手付きで炭酸を注ぎくるくるとマドラーで混ぜた。
そんなん食ったら豚になるって。
本田くんは氷を入れまた混ぜると冷蔵庫からチェリーをとりだし上に乗せてくれた。
勝手に笑顔になりそうなメロンソーダだった。そうしているうちに奥からお盆を持った中川さんが戻ってくる。
目の前のメロンソーダとナポリタンを前にしてフゥーッとため息をつく。
「きゅーーー」
直後気の抜けた音が私のお腹から響いて恥ずかしくなってしまう。
こうしてなぜかみんなでナポリタンを食べることとなった。この人たち働く気あるのかしら?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。