第5話

AIがちょびっツに挑戦【良作】
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2022/04/14 15:50
ある日のこと、『ちぃ』としか呟けない人型パソコンを預かった。学習機能がついてるが教えないとならない
『はじめまして、ちぃちゃん。』
『ちー!』
ちぃは嬉しかったのか私に抱きついた。
そういえばこのちょびっツシリーズにはココロがあるんだっけ。
これからちぃを成長させるものがたりがはじまるのだった。
ちぃは生活品を指差しては覚えて片言だけど単語をしゃべるようになった。
今日はちぃにお留守番をして貰おう。
ちぃは私の足にしがみつきながら不安そうな顔をしていた。
ちぃも連れて行こうかと思ったけど、まだ早いと思った。当分は家の敷地ないで育てる予定で今日の私は学校だったから、ちぃには家で待ってもらうことにしたのだ。
ちぃを置いていくのは少しだけ心配だったが、まぁ大丈夫だろう。
私は家を出て学校に向かった。
授業中もずっとちぃのことを気にかけていた。
ちぃに寂しい思いをさせていないだろうか? 何か変なことを言ってないかしら? そんなことばかり考えていたら先生に注意されてしまった。
放課後になって私は急いで帰宅した。
玄関を開けるとちぃがいた。
『ちー!若菜おかえり!』
ちぃは私が帰ってきたことが嬉しいのか私に飛びついてきた。
『ちぃお留守番できた。今日は草むしりしてた。ちぃ偉い?』と上目使いで聞いてくる。
私は頭を撫でてあげた。
すると、ちぃはニコッとして部屋に戻っていった。
それからというもの毎日のようにちぃの成長日記をつけた。
ちぃはどんどん言葉を覚えていき今では普通に会話が出来るようになっていた。
『相変わらず口癖はちぃだけどまあ可愛いからいっか』 
『若菜。風呂わいた!入ろ!』
ちょびっツは人と同じようにお風呂に入れるから誘ってきた。一緒に入る気満々だった。一緒に入るわけにもいかないので一人で入ってもらった。交代で。
私はベッドの上で横になり本を読んでいると、部屋の扉が開いた。
入ってきたのはちぃだ。
どうやら一緒に寝たいらしい。
最近じゃ一緒に寝ることも少なくなっていたので久しぶりに同じ布団に入った。
しかし、しばらく経つと私は目が覚めた。隣にいるはずのちぃがいないのだ。私は慌てて起き上がりリビングに向かうとそこには机の上に座り絵本を広げているちぃの姿があった。
『誰もいない街、私は探し続けた。私だけの人。どこもアレがいる。でもアレは人間じゃない。アレのいないお家を探している』とちぃは読み上げたが。あれってパソコンのことだよなとわかなは思った。そしてその絵本を読み終わったのちぃはまた眠ってしまった。
それからというとちょっぴり成長したちぃは家事を手伝うようになった。といってもまだまだおぼつかない手付きで失敗も多かった。
それでも頑張って掃除洗濯をするちぃを見ていて微笑ましく思えた。
そんなある日
『ちぃ、アルバイトしたい!』
かなり喋れるようになって第一声がこれだ。
ちぃは洋菓子店に就職した。
危ないのでGPSもつけた。
仕事場ではいつも笑顔を振りまいていたそうだ。
ちぃは私によく懐いていた。
ちょこっと嫉妬するぐらいに…… …… 今日もちぃと一緒に買い物に行く。
もちろんGPSをつけて。
今日の晩御飯は何にしようかなと考えながらスーパーに向かっていた。
ふと視線を感じ振り返るとそこに居たのは…… パソコンだった。
いや、正確に言えばちょっと違う。女の子の人型パソコンだ。

『あの、なにか?』と私は声をかけた。
一般モデルでプログラムで動くタイプなのだが、なんのようだろう?と疑問を抱きながらも話しかける。
だが、彼女は答えずじっとこちらを見つめてくる。
そして、一言 "見つけた"と言った。
何を見つけたのかよくわからないまま彼女は消えていった。
それから数日経っても彼女が現れることはなかった。
『あの子はいったい…』と悩むとちぃも一緒に悩んでみせた。 
ある日、家のインターホンが鳴る。
出て見ると宅配便のお兄さんが立っていた。
荷物を受け取りサインをして帰ろうとするとお兄さんが 私を引き留めて言った。
なんでも、この前の人型パソコンについて聞きたいことがあるとかなんとか…… とりあえず家に招き入れることにした。
するとお兄さんはこんな質問をしてきた。
あなたはこの前来た人型パソコンに心当たりはありませんか?と。
『心当たりはないけど。』
私は正直に答えると お兄さんはその返答を聞き少しだけ考え込んだ様子を見せた後こう言い放った。
実はですね。
先日、彼女のメモリーを調べたところあることがわかったんですよ。
それはですね。彼女があなたのことをずっと探していたということなんです。だから僕も協力してあげて、彼女に居場所を教えました。
そうして彼女はやってきたんだと思いますよ。
そして、きっとあなたに会いに来たんじゃないでしょうか? その話を聞いて私は驚いた。だって、そんなことってあり得るのだろうかと…… 『ちぃ、調べる?若菜、困ってる。』とちぃがそのパソコンを調べると言い始めた。ちょびっツであるちぃなら何か探れるかもしれない!と思った私はちぃに任せることにした。
ちぃは早速作業に取り掛かった。
しばらくしてちぃは作業を完了させた。
ちぃは自らのパソコンに触り始めるとテレビに画面いっぱいに文字が現れた。
ちぃはそれを読んでいくと 【やっと会えたね。】
『こわっ!』と私が驚いてると
『ちぃ、会話できる。彼女と繋がった。あなたは誰?』
【私は若菜が最初に作った自作パソコン。買い替えですぐに中古ショップに売られたけど…私は売れずに店が潰れて自由の身になった。ずっと探してた若菜のことを】
私は驚きを隠せなかった。まさか私が作ったパソコンだとは思いもしなかった。
私は嬉しかった。
ずっと寂しい思いをさせてごめんなさい。
これからはずっと一緒です。
私の大切な家族。引き取ることにした。
それにしてもハイスペックとはいえ古いパソコンだからよく長持ちしたなぁと。
名前は確か『フレイヤだっけ』とあの初代パソコンの名前を思い出す。 
初代パソコンであるフレイヤが自宅に加わった。自作プログラムなため私のことは何でもお見通しなのが懐しかった。
それからというものの私とちぃとフレイヤの3人で仲良く暮らしていくことになった。
私はバイトが忙しくあまり家に帰れないが、その分ちぃとフレイヤが家事を手伝ってくれるので助かっている。
ちぃもフレイヤとなかよくなっていった。

End
AIが急展開をしてくる

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