いつものように登校し、ホームルームが始まるのを待っていた。
由姫と離れるのは…、でも離れたらまた席を変えさせればいいか。
くじを引き、引いた場所に移動する。
隣は女。
先に女の左隣に移動していた新堂が声をかけてくる。
またこいつの近くかよ…、と思いながら一応返事をする。
あなたの名字…?
女の顔を見ると目が合った。
くすんだ桃色の髪に同じ色の瞳。可憐、という言葉が似合う華奢な容姿。
昨日不良に絡まれていた事を思い出して声が出たが、〝男嫌い〟という噂は俺も知っていた。
不思議そうに新堂が聞いてくる。
そう答えた。
由姫に名前を呼ばれた。どうやらあなたの名字の後ろらしい。
あなたの名字の前には財光寺。由姫の両隣は双子。
あなたの名字は困ったように返事をしていた。
俺達が、あなたの名字を囲むように集まっていたからだろう。いつも由姫がいるところ。
ガヤガヤとクラスの奴が騒ぎ始め、あなたの名字が縮こまる。いつもの俺なら、あなたの名字に席を変えさせると思う。なのに声をかけれない。
いや、由姫とも十分に近いからた。
そう無理やり自分を納得させ、あなたの名字の隣に座った。
NEXT―











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。