第11話

渡 さ な か っ た 日
947
2019/01/28 06:11










俺はもやもやした気持ちのまま、











朝を迎えた。








亜嵐
おはよ、早いね
翔吾
あぁ、よく眠れなくて、
亜嵐
そ、。…これ、書いたから
翔吾
もう書いたんだ、
亜嵐
おう、飯食おうぜ
翔吾
うん…









いつもみたいに、






食卓に座った。

















翔吾
最近、彼女さんとはどうなの?
亜嵐
どうなの、って、まぁ、…
翔吾
上手くいってんの?
亜嵐
上手くいってる、かなぁ、
翔吾
…ふーん…













昨日とは違って、時間に余裕をもって家の外に出た。










亜嵐
行ってきまーす
翔吾
いってらっしゃい
亜嵐
これ、渡しといて
翔吾
…は?









そういって渡してきたのはプロフ帳。












翔吾
なんで…
亜嵐
じゃ、








こんなの、渡せるわけない。






だって、連絡先も、





恋愛コーナーも、











しっかり書いてある。














「好きな人はいる?」「はい」



「その人のイニシャルは?」「S.N」








この時点でもう、





兄貴の好きな人はあなたじゃないってことが分かる。














「その人と付き合ってる?」「はい」







「その人のことどう思ってる?」「“大好き”」



























やっぱり、こんなのあなたに渡せない。





























結莉乃
おはよー、翔吾!
あなた

おはよ!今日は時間間に合ったんだね

結莉乃
亜嵐さんいない?
翔吾
あぁ、もう学校行った。
結莉乃
えー、残念だね、あなた
あなた

うん…










兄貴のことでこんな感情になるなら、








俺のこと好きになればいいのに。

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