第12話

#11
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2018/02/06 14:52
病院に着き急いで湊が居るという病室に行くと、湊は真っ白なベッドの上に寝かされていた。
顔には事故の傷が痛々しく刻まれ、青白かった。
そっと触るとひんやりとしており、湊が亡くなっている事が感じられた。
そして無性に悲しい気持ちがこみ上げてきて私は泣いた。
「置いてかないでよ...」
そうやって叫び泣きわめいた。
ずっとずっと...湊の手を握りながら。
「あっ...」
少し落ち着いてくると私はチョコを持っている事を思い出し、そっと枕もとに置いた。
「これ...幸せを呼んでくれるんだって...」
「呼んでくれるといいね...」
「湊...大好きだよ...」
「ありがとう...」
そして私は静かに病室を出た。

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