第23話

二十話 違和感 カノエ視点
222
2021/06/09 23:48
時間遡行軍が現れたと聞き、応援で鶴丸とイヌイがやって来る。鶴丸に至っては、突然上から降ってきて敵を斬りてけてきたので驚いた。
姫やヒノト、俺と加州は元からカノトの城へと用事があって向かっていた最中だったのでタイミングが良かった。
どうやら、被害拡大を防ぐ為に今剣が街から離れた林の方へと時間遡行軍を誘導したとのこと。けれど、一人では離れた城の様子は見れないし、全員を護れる訳では無いので応援を要請したらしい。
加州清光(極)
加州清光(極)
今剣……!
今剣(極)
今剣(極)
加州さん!良かった、来てくれたんですね
鶴丸国永(極)
鶴丸国永(極)
街や城の方は今の所問題ない。しっかし、前回より数が多いな
今剣(極)
今剣(極)
短刀が約十五体と脇差五体。打刀四体と太刀、大太刀が二体ずつです。夜戦なので暗闇には気を付けてください
カノエ
カノエ
山姥切達もこちらに向かっている。それまではお前達に任せていいか?
加州清光(極)
加州清光(極)
とーぜん。その為に此処に居るんだし
夜ということもあり、騒音が響けば昼間と同様混乱が起きかねない。林から離れて城の付近に移動すると、ハナレと山姥切がやって来る。しかも、シンも一緒だ。
ハナレ
ハナレ
状況は聞いた。他に問題は……?
カノト
カノト
今剣が気配に気付いて直ぐに対応してくれたから……城の皆は大丈夫
ヒノト
ヒノト
民にも気付かれてないしね
トロイメアの姫
トロイメアの姫
しかし、シンさんも一緒なんて……最初から三人でいたんですか?
シン
シン
あぁ。仕事の一貫で、街を周り視察していた。そうしたら、山姥切が嫌な気配を感じると言い出してね。その直後、従者達から時間遡行軍が現れたとの報告を受け今に至る
山姥切国広(極)
山姥切国広(極)
一瞬ではあったが、先程の気配は時間遡行軍がカノトの城へ移動している最中に感じとったものだろうな
カノエ
カノエ
だが、何故山姥切達を素通りしてまで多数でカノトの城へ行く必要が……?
俺が聞くと、山姥切は手を顎に当て、考える素振りを見せてから「俺達の戦力を減らす為じゃないか?」と答える。
山姥切国広(極)
山姥切国広(極)
今剣は短刀とは言え極めている……だから、並の時間遡行軍程度なら倒せなくはない
カノト
カノト
それで、数で倒しに……?
山姥切国広(極)
山姥切国広(極)
かもしれんが、そうなると疑問が残る。俺達と同じ様に此方の世界に飛ばされたのなら、時間遡行軍の数にも限りがあるはず。
なら、力ある大太刀や太刀数振を今剣の元に向かわせれば、わざわざ他の時間遡行軍を向かわせる必要はなくなるし……それだけでも体力を削ることは出来るはずだ
イヌイ
イヌイ
お前等が来るのを分かってた、とか?
流石に単純過ぎるか……
山姥切国広(極)
山姥切国広(極)
いや、あながち間違いではないかもしれないが、それでも違和感がある。俺達が助けに来るのを分かっていたなら、今剣の元に行けないよう邪魔しに来ればいいのに、揃いも揃って一箇所に集まって襲撃した。一体……
山姥切が話をしていると、今剣達のいる方から爆発音に近いような激しい音が聞こえた。
カノトと俺、姫、イヌイやヒノトはこの場に残り、シンとハナレ、山姥切は急いで今剣達の元に走る。
カノエ
カノエ
(大丈夫なのか、加州達……)

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