「うん…」
とりあえず返事をした
普通は、「うん」って理解をしたときに
するものなんだろうけど
僕は何もわからないまま
形式上の「うん」といった
「それで…」
彼女は口をとめた
焦らしているのか?それともなに?
なかなか話さない彼女に
僕は苛立ちを覚えた
そして、自分から聞くことにした
「僕が行かなくなってから
いじめが始まったんでしょ??」
そう言うと彼女は
驚いたようにこちらを見上げた
「なんで…」
「何となくわかるよ
それで、僕に学校に来てほしいの??」
敬語だった話し方も苛立ちのせいで
いつのまにかなくなっていて、
口調も少々攻撃的になってきた
「ごめんけど
僕が行ったところでなにも
変わんないと思うけど
まぁ、行かないけどね」
僕って、ひどいやつだ
彼女がここにくるのに
相当勇気がいったと思うのに
彼女の言いたいことやりたいことを
彼女が提案する前に全否定してる
ごめんね、でも、いやなんだ
そこで、やっと彼女が口を開いた
「来てほしい訳じゃないんです!」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。