第20話

やり取り
110
2018/12/03 22:45
数学の授業…本当のことを言えば
苦手科目だし、何よりゆっくりやりたくても数学の先生は、早口で言ったと思ったらすぐに黒板に書いた字を消してあたらしい形式を書いていく…
小山世奈
小山世奈
(無理だ…)
コンッ

何かが机の上に落ちてきた。
それは、ノートの角をちぎったものだった。
小さく畳んであったので
誰かが私に書いたのだろうと思い、畳んである紙を広げて中身を確認した。
小山世奈
小山世奈
………
???
[  授業わからん     by詩音      
[ 同じく by綾
[ 寝たい by拓海
小山世奈
小山世奈
(な、なんだこれ…?)
そこに書いてあったのは、皆の愚痴なのか?
ただの一言日記のようなものなのか?
小山世奈
小山世奈
(うちも書いた方がいいのかな?…いやいや流石に授業中だし…後で)
コンッ
また、紙が後ろから飛んできた。
後ろの席ということは詩音だろうけど…
高橋詩音
高橋詩音
[まわせっ    by詩音]
小山世奈
小山世奈
(絶対まわさんとダメなんネ…)
とにかく、この事から逃れるためには
書くしか選択はない。
まぁ、書くだけだし早く書いて回しちゃえばいいよね(´▽`)
小山世奈
小山世奈
[先生。黒板消すの早い by世奈]
小山世奈
小山世奈
(こんなもんで、いいよね?)
……詩音、綾、拓海 と来たら次は
哀だろう。アイツはこういう事には興味無さそうだけど、回してみるのもありだと思った。

ついさっき思ったけど、哀の席までは約3メートルぐらいある

(む、ムズい!!)
小山世奈
小山世奈
(…!とにかく届け!)
投げた紙切れは見事、哀の机の上へと
届いた。そこまで投げるのは自信なかったけど、届いた事からホッとして少し力が抜けた。

哀は紙に気づき、開く瞬間を私はジッと見つめた。
日々樹哀
日々樹哀
………
だが、哀は顔色ひとつ変えずに
紙に自分のことを書いて、また私の方を見て
綺麗に紙が帰ってきた。

そんなことをしているうちに、予鈴のチャイムがなり、一限が終わる。

哀の書いたことが気になり、周りに集まってきた詩音達と紙を見た。
小山世奈
小山世奈
………
高橋詩音
高橋詩音
………
石早綾
石早綾
………
佐々木拓海
佐々木拓海
………
日々樹哀
日々樹哀
[そんなことやっている暇があるなら、授業に集中しろ   by哀]
………
高橋詩音
高橋詩音
…やり取り、一旦やめようか…
…うん

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