第37話

さんじゅうよん
2,185
2023/02/14 10:33

side:五条







それ、
花 香
  ふふ似合う?
… チッ










それはお前のものじゃねぇ、そう言いたかった。



だけどそんなことを言って余計コイツの気を悪くしたら



アイツに矛先が向くかもしれない



昨日、そう傑と話した。



何が引き金になるかわからない



故にどんな些細なことでも用心しようと。



だから俺は、












似合わねぇ
花 香
あっ、











奪われた服を奪い返した、それだけだった










__ ガラッ










その時教室のドアが開き



後につられて自然と顔がそちらに向く












…!
家 入
あなたっ!
あなた











俯いたアイツが教室に入ってきた



何故か、アイツの纏う空気が思い。



一瞬髪の間から覗いたアイツの目と目が合って



手元に視線が向く。



アイツの目に驚きの色が浮かぶが、



すぐにいつも通りの読めない瞳に戻って



俯いたまま教室の隅にある座席へと着席した













家 入
おはよう、あなた
夏 油
おはよう、寝坊かい?
あなた
…… お、… おは、ヨウ












相変わらず下手くそな日本語で2人に挨拶を返すが



傑と問いかけには答えないままだ













家 入
どうした?俯いて、
夏 油
何があったのかい?












2人が心配して声をかけているのに



返事をするどころか顔を上げようとしない。












… おい、
あなた
……
心配してくれてんだから返事はできなくても顔くらいあげろよ
あなた











はあ、めんど。



彼女の前にきて大きなため息を吐いて



顎を掴んで顔を上げさせようとした時、



彼女は自分でバッと顔を上げた。













あなた
……
なっ、、、
夏 油
これは …
家 入
なんだよこれ、誰にやられた?











硝子がそう問うがそれにも答えようとしない。



俺ら3人はそんな彼女の顔をただ唖然と見つめていた












家 入
アザと一緒か??誰にやられた??
あなた
……












彼女の頬に赤黒い大きなアザがあった



白い肌によく目立つ。



口の端と目の上には赤く血液みたいなのがこびりついていて



多分切れてる。



そして頬と傷口は腫れていた













あなた
… こ、ろんだだけ …
家 入
は?転んだ?












ボソリとした呟きを硝子が繰り返すと



小さく顎を引いて頷いた



その表情も無で彼女が今どんな感情なのか



痛いのか、苦しいのか、何を思っているかわからなかった。













夏 油
転んだってどこで?
花 香
どうせ階段から落ちたんでしょ?鈍臭、












横から口を挟んできた姉の言葉に



コクリとまた頷いた












… くだらねぇ嘘つくんじゃねぇよ。誰かにやられたんだろ?その頬の痣、明らかに人工的だろ
あなた
… うそじゃない、… 落ちた
花 香
鈍臭っ 笑
あなた
… ごめんなさ、い
家 入
ひとまず、手当しないと細菌が入る。保健室行くぞ












硝子は姉の横を通り過ぎて彼女にそう言うと



彼女も大人しく硝子の後に続いて保健室に向かった












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