第33話

さんじゅう
3,071
2022/09/06 11:05

side:五条






俺の後ろをちょこちょことついてくるこの女。



顔はさっきからずっと下を向いている
















なあ、いつまでそうやって歩いてる気だよ?いい加減前向いて歩かねぇとぶつかるぞ 















そう言った瞬間、ガンッと鈍い音がした



後ろを振り返るとおでこを摩っている。



… コイツ、言ったそばから電柱に頭ぶつけやがった















ったく、ちゃんと前見て歩けよ
あなた
… 、















そう言うと顔を上げる女



だが、その顔は俺の顔色を伺っているようで



どこか怯えていた。















チッ、














どうして傑や硝子の時は平気で



俺の時はなんでそんなに怯えているんだ ( (



無性に腹が立つ

















… 行きたいとこは?
あなた
…… 
ねぇの?
あなた















人の顔色を伺うようにコクリと小さく頷く

















はあ … あっそ、














俺はそう短く返事をすると



携帯で行きたい店を検索し



マップに沿って歩く。



途中、何人かの女に言い寄られたが無視して



コイツの前をスタスタと歩いた
















いらっしゃいませー
2人で















俺は甘いものが食べたくて



パンケーキ屋に入った。



店員に人数を伝えると2人席へと連れていかれる



俺たちは向き合うように座った

















ん、選んで














メニュー表を渡し、先に選んでもらう



しかしメニュー表を手に取った彼女は



不思議そうにそれをジッと見つめたまま動かない



まさか、頼み方しらねぇのか?

















おい … 
あなた
… ぱんけーき、?














マジか … 俺の予想が的中した。



コイツ、パンケーキ知らないで生きてきたのか?

















んじゃあ俺が頼むから、貸して














俺はメニューを見て悩んだ後、



バナナチョコパンケーキと



いちごホイップパンケーキを一つずつ頼んだ



二つとも俺の食べたいのだ
















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