第34話

さんじゅういち
2,780
2023/08/10 23:32

side:五条








パンケーキが運ばれてきたのに



手をつけようとしない女。



食べ方もしらねぇの?

















これがナイフで、フォークな。このナイフで切って、フォークで刺して食べる
あなた
ナイフ、、… 人を切る、
ちげぇーから!??
急に喋ったと思ったら物騒なこと言い出すな?!これは食事用ナイフ、これで人は切れないし死なないから!!
あなた















彼女はそれを聞いて安心したのか



ナイフとフォークを慣れない手つきで握る

















違う違う、それは戦闘用の持ち方!ナイフはこう握るの
あなた
…!……















俺の手をチラチラ見ながら握り直す。



本当に、何もかも初めてなんだな



だって … ふっ、よだれ垂れてんぞ
















食べろよ
あなた
!!…















ナイフで器用に一口サイズに切り、



フォークで刺して口へと運ぶ。



口に含んだ瞬間、彼女の顔が一気に綻んだ



見たことのない笑顔、



普段の無表情からは想像のできない



幸せそうな顔。

















… 美味い?
あなた
(コクコク)
だったら言葉で言えよ。首だけじゃわかんねぇ
あなた
…… おい、しいっ …
ふっ、そーかよ。… 俺のもやる















俺はチョコレートの掛かった部分を切り分け



フォークでさす

















何してんの?口開けて
あなた
… (あーん)















彼女が開いた口にフォークでパンケーキを入れる



パクリと口を閉じてモグモグと味わう。



その顔もまた、幸せそうだった


















美味い?
あなた
… う、ん
苺とバナナチョコ、どっちが美味い?















そう聞けば彼女は俺のパンケーキと



自分のパンケーキを交互に見て少し悩んだ後



自分のパンケーキ、いちごを指差した

















へぇいちご好きなんだ












そういうと、彼女は嬉しそうに笑った



俺にはその笑顔が何よりも綺麗に見えて …

















次、違うとこのスイーツ食べさせてやるよ













次はってことはまた一緒に出かけるということ。



それをわかっていたその言葉を使ったけれど



対して彼女はなにも気に留めておらず、



お辞儀をしてその場をさった

















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