第40話

さんじゅうご
1,450
2023/08/11 14:57

side:家入









保健室に着いて空いているベッドを



手でポンポンと叩くと



彼女は大人しくそこに腰を下ろした

























硝 子
救急箱持ってくるからちょっと待ってて



















そう言い残して奥の棚を開ける



上から3番目の棚に救急箱と書かれたボックスを見つけ



それを持って彼女の元へ戻った






















硝 子
おまたせ
あなた
……
硝 子
ん?どうかしたか?











あなたは何も喋ろうとはせず、



ただじっとこちらを見てくるだけ。



でもその瞳には私は映ってないように見えて、



どこか違う遠くを映しているようで



彼女の傷に目線を移し無言で傷口を消毒する



こんなに怪我をして、痛くないのだろうかとか



どうしてそんな見え透いた嘘をつくのだろう、とか



辛いなら助けを求めてほしい、なんて今言ったとして



きっと彼女には届かないから














硝 子
ん、終わったよ











彼女の素肌に触れないように消毒を済ませ



絆創膏などは貼れないから渡すと



彼女は受け取らずに椅子から立ち上がった













硝 子
え、ちょ?絆創膏貼らないといくら消毒したからって菌が入るよ?
あなた
硝 子
ねぇ、… 貼ってよ













じっと唇を噛んで、



絆創膏を見つめていたあなただったが



小さく顎を引いて裾をぎゅっと掴むと、



震える唇から小さな声が溢れた

















あなた
この … 傷は、ぜ、全部私のせいで … っ私は、失敗作だから …
硝 子
あなた?
















涙は出てない。



表情も比較的なくて、声が震えているだけなのに



こんなにも苦しい気持ちになるのはなんでだろう














あなた
本来、生きちゃいけない … 生かしてもら、ってるから …
硝 子
… 何言ってんの?
あなた
だめだよ、失敗作の私なんかが、仲良くしちゃいけない … よっ、
あなた
だめなんだよっ、
硝 子
ちょ!?待ってあなたっ!!
















彼女はそれだけ言って保健室を出て行った















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