side:五条
送られてきた場所に飛ぶと
目の前には高いビルがあるだけで
傑の姿は見当たらない。
呼んでおいて本人がいないことにイラッとしながら
舌打ちをすると後ろから足音が聞こえた
そう言って傑はビルの中に入っていくから
俺も後に続く。
そうして傑が足を踏み入れたお店は
女性物の品しか置いていない店だった
俺は思わず足を止めて傑を呼ぶ
いきなり呼び出されてアイツの服を選べって
言われたって理解できなくて傑に聞き返す
アイツが傑色に染まるのを想像して
なんだかモヤモヤして、
店内へと足を進め服を選んでいく
別にアイツに似合いそうと思ったものを買ってんじゃねぇけど、
目についたものをどんどんカゴにいれていく。
ついでにアクセサリーも
じゃああなたには買ってあげるんだ、と
挑発じみた笑いを浮かべて言ってくる。
テメェが呼んだんだろ、と思いながらも
言葉をグッと堪えて会計を済ませた。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。