木兎「ふぁぁ...」
『おはよ~、仕事行ってくるね?お弁当とか全部バック入れて、玄関置いてあるから忘れないはず!』
木兎「はぁ...い」
『あ、今日及川くんと岩泉くんと花巻くんと松川くんがうちに来ることになってるから~』
木兎「おー...」
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『おはようございま~す』
男性社員「おはようございます!!」
女性社員「おはよー」
部長「おはよう、木兎さん。ちょっと来てもらえるかしら。」
『あ、はい!』
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部長「実はね、うちのオフィスを全階総模様替えをしようということになってるのよ。それで、お客様からの評判がとてもいいから木兎さんにお願いをしたいのよ。」
『私なんかが...』
部長「練習と、仕事の両立が大変なのはわかっているわ。だから検討だけでもしてくれないかしら。」
『いえ、私にやらせてくださるなんて光栄です。やらせてください。』
部長「じゃあお願いするわ。」
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今のお客様は...最近ほとんど終わらせたから、残りは...2件ね、よし。なら今日明日で終わるかな...
その時私の携帯が震えた
でない...
朝弱いから、先に出るのほんと嫌なんだよ...
『あの、部長...』
部長「なぁに??」
『お昼ご飯奢るので一旦家帰っていいですか...旦那がちょっと...』
部長「いやいいわよ。普通に行ってきなさい。」
『はい...すみません...』
私はヒールで走る。
あぁ...もうなんでスニーカーじゃないのよ!
電話も出ないし...
慌てて電車に乗り込んで、家へと向かう
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『ぜぇ...ぜぇ』
肩で息をしながら家の扉を開ける
『こうたろー!!』
木兎『Zzz』
『起きて!もう遅刻だよ!?』
木兎『んにゃ、あなた?』
『早く起きて!』
木兎『んー...』
『ほらはやく!』
木兎「?!あなた!?」
『はぁ...やっと起きた...ほら早く着替えて!』
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木兎「おくる?」
『大丈夫!このまま外回り行くから!』
木兎「そーかー、んじゃありがとな!行ってくる!!」
ブーン...
はぁぁぁ...
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『こんにちは、木兎です~。』
依頼者「あ、木兎さん。こんにちは。こんな感じでまだまだ全くスッカラカンでしょ?
黒を中心に、考えてるんだけど...どうかな...」
『はいっ。黒中心ですね...部屋の寸法撮らせてもらいます』ニカッ
依頼者「木兎さんって、もしかして日本代表の...?」
『あー、はい...お恥ずかしながらも...』
依頼者「えーっ!すごいわぁっ。それで?営業面でも確かいいんだっけ...?」
『えっいや...え??そんなことは...』
依頼者「部長さんが絶賛してたよぉ。」
『それはありがたいです...終わりました!』
依頼者「次はいつくらいかしら...?」
『えーっと...三日後以降で空いている日を指定していただければ...』
依頼者「んー、四日後の今日と同じ時間でいいかしら」
『分かりました。では、失礼します』
はぁ...
結構ガツガツ来るお客様だ...
頑張らなきゃ...
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!