俺は約束の体育館へ向かった。
やっぱり人が沢山いて、歌姫とやらに興味が出てきたところに、テヒョンがやってきた。
ぱっと照明が落ち、司会の人の説明がはいる。
すーっと幕が上がり、
4人のメンバーが現れる。
ドラムがリズムを刻み始めて、
ギターやベースも入り出す。
そして、どセンターのボーカル、
長み髪を高いところで二つに結んでる女の子。
ライトがぱっと彼らを照らす。
俺はハッとした。
ボーカルが息をすぅっと吸ってから、マイクに声をのせる。
息を飲んだ。
さっきであったあいつが、この学校の有名人。
歌姫様、、?
さっきとはイメージが全然違う。
どこか乱暴でいて、それでも美しい。
俺はガッツリ見入った。
すると、あいつが俺の方を見た気がした。
ニヤッと笑って、さらに会場の熱を上げるような声をだす。
心配そうに俺を見るテヒョン、でも今はそんなのどうでもよかった。
聞こえるはずもない、
なんてったってあいつの声が私の声以外聞くなというように主張してくるようで、それどころではないのだ。
_____________________________________
歌姫ちゃん所属のバンドの名前がLIARです
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。